このような疑問を抱えていませんか?
イーサリアムはビットコインに次ぐ時価総額第2位の仮想通貨です。
2017年にはビットコインの価格の上昇と共にイーサリアムも引っ張られるように価格を上昇させましたが、2018年にはビットコインと同様に長期的な下降トレンドを迎えています。
2020年より長期的な上昇トレンドに入り、2021年末には最高値を記録しています。
イーサリアムが注目されている理由などの基本的な知識を持っていなければ、投資の参考材料になる正確な情報のキャッチアップは困難です。
そこで、本記事では、初心者の方向けにイーサリアムが注目される理由やイーサリアムの将来性について紹介していきます。
Contents
イーサリアム(ETH)とは
名称 | イーサリアム(Ethereum) |
---|---|
通貨 | イーサ(ETH) |
開発者 | Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン) |
公開日 | 2014年7月 |
承認方式 | PoW(PoS移行予定) |
発行上限 | 上限なし |
ブロック生成時間 | 約15秒 |
公式サイト | https://www.ethereum.org/ |
イーサリアムのポテンシャルはビットコイン以上だと言われています。
その理由はイーサリアムの確固たる実用性や将来性。
仮想通貨イーサリアムは分散型アプリケーションのプラットフォームとして開発され、スマートコントラクトと呼ばれる技術が備えられているのです。
プラットフォーム上で使用される通貨は正しくはイーサ(ETH)ですが、世間的にはイーサリアムと呼ばれています。
このイーサリアムを創設した人物はヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏で、2013年の当時19歳だった頃にイーサリアムの構想を提唱したと言われています。
そして、イーサリアムは2014年に販売が開始され、2015年には日本の仮想通貨取引所でも取引が行われました。
イーサリアムの取引の承認方式はビットコインで採用されているPoW(Proof of Work)ではなく、PoS(Proof of Stake)と呼ばれる承認方式を採用。
PoWは厳重なセキュリティシステムがありますが、51%攻撃と呼ばれる不正取引のリスクがあり、設備投資で多額の費用と時間を必要とします。
一方、イーサリアムで採用しているPoSは仮想通貨の保有量が多い参加者ほどブロック承認に有利になるため、PoWのように膨大な計算作業を必要とするマイニングを必要とせずコスト削減にも繋がります。
ビットコインの上限枚数は2100万枚とされていますが、イーサリアムの発行枚数は上限なしとなっています。
上限がないというのは発行枚数が「無限」というわけではなく、まだ決まっていないということです。
また、ビットコインのブロックの生成時間が約10分間とされているのに対して、イーサリアムのブロック生成時間は約15秒とされているため、決済処理の時間が短く手数料も安いためマイクロペイメント(少額決済)に向いています。
イーサリアムの最新の価格
イーサリアムの価格は2019年5月の時点で1ETH 20,000円以上まで価格が上昇してきました。
グラフからは2018年1月の大暴落から2019年3月までの長期的な下降トレンドで、イーサリアムを含む仮装通貨の価格は大幅に下落していることが確認できます。
イーサリアムも3月まで15,000円付近をうろついていましたが、4月に入り高騰。その後5月に遂に2万円台まで回復しました。
2022年には50万円に到達し、かなり大きな上昇を見せています。
イーサリアム(ETH)と他のコインとの違い
時価総額一位であるビットコインとイーサリアムとの違いについて説明します。
ビットコイン | イーサリアム | |
---|---|---|
役割 | 決済手段 | プラットフォーム |
スマートコントラクト | なし | あり |
開発者 | サトシナカモト | ヴィタリック・ブリテン |
開発 | 2009年1月 | 2014年7月 |
承認方式 | PoW | PoWからPoS移行予定 |
発行上限枚数 | 2100万BTC | なし |
ブロック生成速度 | 約10分 | 約12秒 |
イーサリアムとビットコインはそれぞれの持つ役割が異なります。
イーサリアムがアプリケーションを開発するための「プラットフォーム」として開発されたのに対して、ビットコインは世界中で利用可能な「決済手段」として開発されています。
また、イーサリアムにはスマートコントラクトと呼ばれる契約を自動で執行できる技術が備わっていますがビットコインにそのような技術は備わっていません。
表の発行上限枚数やブロック生成速度からも分かるように、同じ仮想通貨でも全く異なる特徴と機能を持ちわせています。
ブロックの承認方式については現在はビットコインと同様ですが、今後イーサリアムはPoWからPoSに変わり、スケーラビリティ問題への対策が実施される見込みです。
スマートコントラクトとは
イーサリアムのスマートコントラクト(Smart Contract)とは、契約の際に第三者を仲介に挟まずにインターネット上で自動的に契約を執行することができる技術です。
従来のシステムは互いに信用するために「保証」を必要としていたので、売買を行う際には消費者と販売者の間には仲介業者が入り、書面で契約手続きを行う流れが主流でした。
しかし、ブロックチェーンのスマートコントラクトのを使用することで「仲介を必要としない契約」が実現できるようになり自動的に契約を行えるようになりました。
また、従来のシステムはセキュリティ面においても仲介事業者が個人情報や契約情報を管理するため、不透明性が高く情報管理の面で不安が残ります。
しかし、ブロックチェーンで実行された取引記録は誰もが閲覧可能になるため改ざんなどをされるリスクも低くなります。
このように、スマートコントラクトを利用することで仲介による無駄な手間やコスト、不正に巻き込まれるリスクを避けることができます。
実はこのスマートコントラクトの構想はビットコインが誕生する前から建てられているもので、1994年にNickSzabo(ニック・スザボ)氏によって提唱されています。
NickSzabo氏はすでに日常に溶け込んでいるスマートコントラクトとして「自動販売機」を例に挙げています。
自動販売機を購入する際は「商品を選択」→「お金を入れる」→「商品を受け取る」→「お釣りがあれば受け取り」までのプロセスを自動的に行うことが可能です。
これは自動販売機がある特定の条件を満たせばプログラムが自動で実行されるように設定されているためです。
そのため、消費者と販売者がわざわざ仲介に入らなくても売買を自動で行うことができます。
ブロックチェーンの仕組みも自動販売機の仕組みと同様で、あらかじめ条件を決めておけば自動で取引することが可能です。
イーサリアムのdAppsとは
dAppsとはネットワークの中央に管理者を必要としない分散型アプリケーションのことです。
例えば、dAppsゲームで有名なCryptoKittiesなどがあります。
これらのアプリケーションはイーサリアムのプラットフォーム上で利用されますので、運営会社を必要とせず仲介手数料などで無駄なコストがかかることもありません。
また、運営会社のセキュリティ管理に依存せずブロックチェーンの強いセキュリティシステムで管理することができます。
そのほか、dAppsには仮想通貨の売買に仲介事業者を必要としない分散型取引所(DEX)と呼ばれるものがあります。
近年、取引所の仮想通貨流出事件が注目を浴びた影響で分散型取引所にも関心が集まっています。
ERC20のトークンとは
イーサリアムのトークンERC20について詳しく解説します。
ERC20とは
ERC(Ethereum Request for Comments)とはイーサリアムのプラットフォーム上で新たに発行されるトークンの規定を定めたもので、ERC規格には「ERC20」「ERC223」「ERC721」などの規格が存在します。
ERC20トークンとはイーサリアムのプラットフォーム上で扱われることを想定しERC20規格に沿って開発されたトークンです。
ERC20が開発された理由
ERC20規格が誕生した理由はトークンの発行における開発基準を統一するためです。
実はERC20規格が開発される以前はそれぞれ異なるプログラミング言語やアルゴリズムでトークンが開発されていたため、トークンを保管するウォレットの開発が非効率であったり、トークンの一括管理ができないなどの問題がありました。
また、トークンの発行基準が定まっていなかったためICOに参加している投資家からは「きちんと機能するのか」「トークンは安全なのか」などの不安の声も上がっていました。
そこで、これらの問題を解決するために定められた規格がERC20です。
ERC20を取り入れたことでトークンの取り扱いが便利になり、取引所へ上場するための審査や投資家からの資金調達もしやすくなりました。
ERC20がICOに用いられる
このERC20トークンは、詳しい知識がなくても誰でも簡単にトークンの作成を行うことが可能です。
そのため仮想通貨を使った資金調達を行う、ICO(トークンセール)で多く用いられ、様々なICOが行われています。
しかしその手軽さを利用して、詐欺の手法として使われることもしばしばです。
ERC20の問題点
ERC20にはERC20トークンを送金する際に相手のアドレスではなくコントラクトのアドレスに誤って送金してしまうとそのトークンを取り戻すことができないという問題があります。
上記のように、ERC20トークンの誤送金問題は過去に発生しており、数百万ドルを超える資金が紛失しています。
このようなERC20の問題を解決するために開発された規格がERC223です。
ERC223を利用すれば、コントラクトアドレスに誤送金してしまっても元のアドレスに返還される仕様になっているため大切な資金を失う心配がありません。
イーサリアム(ETH)の今後の開発予定
イーサリアムはすでに世の中に出回っておりイーサリアム上でもアプリケーションが多く誕生しています。しかし、イーサリアムは完全に完成している訳ではありません。
そのため、イーサリアムでは4段階にわけてアップデートが実施されるようになっています。
アップデートは以下の4つです。
- フロンティア(Frontier)→完了済
- ホームステッド(Homestead)→完了済
- メトロポリス(Metropolis)→完了済
- セレニティ(Serenity)→実施中
順に解説していきます。
フロンティア(Frontier)のアップデート
第1回目となるフロンティアアップデートは2015年7月30日に実施されました。フロンティアでは正式にリリースされる前のプラットフォームをリリースしており、バグが発生したら戻ってやり直せるなど開発者向けのアップデートとなりました。
ホームステッド(Homestead)のアップデート
第2回目となるホームステッドのアップデートは2016年3月15日に実施されました。ホームステッドではフロンティアのアップデートで確認できたシステムの問題点やバグの修正などの改善が行われました。また、仮想通貨盗難事件に対するセキュリティ対策もアップデートで実施されています。
メトロポリス(Metropolis)のアップデート
第3回目となるメトロポリスのアップデートは「ビザンチウム(Byzantium)」と「コンスタンティノープル(Constantinople)」の2つのアップデートに分かれています。
ビザンチウムは2017年10月16日にアップデートが実施され、匿名性の強化およびマイニング報酬の変更が行われました。
コンスタンティノープルは当初2018年に実施される予定でしたが2019年2月にアップデートが開始されました。
コンスタンティノープルのアップデートではスマートコントラクトやPoWシステムからPoSシステムへの移行準備、セキュリティ強化などが実施される予定です。
セレニティ(Serenity)のアップデート
最後のアップデートとされているセレニティでは取引の承認システムがPoWからPoSへ完全に移行することが予定されています。
ただし、PoWのマイニングには多額の設備投資がされておりPoSで同じように利用することができません。
そのため、コミュニティ内で反発がある可能性が非常に高く実現までに時間を必要とすると考えられています。
まずはセレニティのフェーズ0として、ステーキングが可能となりました。
アップデート完了後の予想
イーサリアムはアプリケーションのプラットフォームであるためアプリ内で行われる決済の利便性にも大きく影響を与えます。
しかし、イーサリアムもビットコイン同様に取引量が増えたことでスケーラビリティ問題が懸念されています。
その解決策としてライデンネットワークと言われるイーサリアム独自の技術が注目されています。
ライデンネットワークが導入されればスケーラビリティ問題が改善されるため「送金手数料の減額」「送金スピードの向上」「マイクロペイメントへの対応」などより良いサービスの提供に繋がります。
また、現在は1秒に10件の取引を処理することができますが、ライデンネットワークの導入後には1秒に1万件以上の取引を処理することができるため約1000倍の処理速度になります。
イーサリアム(ETH)の価格は今後上がる?
2018年にはイーサリアムを含む主要コインはビットコインの長期的な下降トレンドと比例して、価格が大幅に下落しており、後にトレンド転換を迎えた場合は長期的な上昇トレンドになる可能性が考えられます。
ただし、市場全体で「仮想通貨は終わった」というイメージをユーザーが抱いてしまっている限りは早期の上昇は期待できず、徐々に価格が回復していくことも予想されるでしょう。
以前より、イーサリアムの価格上昇で期待されている大きな要因として、「セレニティ」のアップデート。
これらのアップデートではイーサリアムの仕様が大きく変更される可能性が高く、期待値に比例して価格が高騰する可能性は十分考えられます。
また、イーサリアムにはイーサリアム企業連合(EEA)というものが存在しており、すでにマイクロソフトやKDDI、JPモルガンなどの大手企業を含む500社以上の企業が提携しています。
このように大手企業との提携はその通貨の今後の可能性を裏付ける貴重な参考材料となるでしょう。
ETF上場は価格上昇の起爆剤となるか?
イーサリアムがETFに上場すれば、イーサリアムは仮想通貨取引所だけでなく「証券取引所」でもトレードされることになり、仮想通貨に参入していなかった投資家の注目を浴びることになるでしょう。
そうなると機関投資家の多額の資金が流入することが予想されるため、市場が活性化し相場が高騰する可能性があります。
しかし、以前行われたイーサリアムのETF上場申請は残念ながら延期となってしまいました。
ですが、「却下」とう決断は下されなかったため、長期的に見ればETFに上場する可能性は十分に考えられますので、今後も状況をこまめにチェックしておくことが大切です。
イーサリアム(ETH)の今後の問題点
イーサリアム(ETH)には問題点もまだ抱えている現状があります。
そちらを見てみましょう。
スケーラビリティの問題
スケーラビリティ問題はビットコインでも問題になっていますが、イーサリアムでもサービスが普及し取引量が増大すれば取引処理が間に合わなくなる可能性が懸念されます。
しかし、イーサリアムではセレニティのアップデート後にはブロックの承認速度が1000倍ほど向上すると言われているため解決される可能性もあります。
ICO規制の問題
近年、ICOでは規制の動きが強まっています。表向きはICOでの資金調達を発表していても本当の目的は仮想通貨の詐欺で調達後に全く開発を行わなくなるようなケースも発生しています。
もしICOが全面的に禁止されればイーサリアムの利用が制限され、価格が下落する可能性があります。
セキュリティーの問題
イーサリアムは過去に外部からハッキングを受けており、イーサリアムのプラットフォームを利用した「THE DAO」というプロジェクトで総額約43億円の流出、イーサリアム専用のウォレットとして知られる「MyEtherWallet」で約15万ドルの資金を流出させています。
このハッキング事件でユーザーからはイーサリアムのセキュリティに不信感の残る結果となりました。
著名人によるイーサリアム(ETH)の予想と結果
最後に著名人の2018年時点の予想と2022年現在の結果をまとめてみました。
トーマス・リー氏
仮想通貨アナリストでありFundstrat Global Advisors社の共同設立者であるトーマス・リーは、「2019年でイーサリアムの価格は$1,900(約210,000円)になるだろう」と発言されています。
トーマス・リー氏は過去にイーサリアムの時価総額が2位から3位に落ちた際にも、独自の考えからイーサリアムの価格は上昇すると述べており、実際にイーサリアムの時価総額は再び2位に戻っています。
2019年には$1,900に到達しませんでしたが、2021年3月に$2,000を超えました。
マイケル・ノボグラッツ氏
仮想通貨投資家として億万長者リストにもリストアップされているマイケル・ノボグラッツ氏は、アメリカの大手メディアからインタビューをされた際に「イーサリアムの価格は$1,500(165,000円)を超えるでしょう」と回答しています。
実はマイケル・ノボグラッツ氏は過去の発言でイーサリアムの価格やビットコインの暴落も的中させていた人物です。
2020年末から仮想通貨の価格が上昇し、2021年2月にはマイケル・ノボグラッツ氏の予想の$1,500を達成しています。
ジョゼフ・ラッキンスキー氏
joetechnologist.comの創設者であり、Twitterで153,000フォロワーを持つブロックチェーン愛好家であるジョゼフ・ラッキンスキー(Joseph Raczynski)氏。
「イーサリアムの価値は2019年末までに$1,200(約13万円)に達する可能性がある」と発言しています。
2019年末までに$1,200に達することはできませんでしたが、2021年1月に$1,200を達成しています。
デヴィアグループ
デヴィアグループ(deVere Group)は、アメリカのコンサルティング会社で世界有数の独立系金融アドバイザリー組織の1つです。
そのデヴィアグループによると、「イーサリアムの価格は今年大幅に上昇すると予測されており、2019年と2020年には$2,500に達する可能性があり、さらに上昇する可能性があります」と予測しています。
2020年までに$2,500を超えませんでしたが、2021年4月に$2,500を記録しました。
著名人によるイーサリアム(ETH)今後の予想
ヴィタリック・ブテリン氏
イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は最後のアップデート「セレニティ」で価格は高騰すると発言しています。
創設者であり開発に携わるヴィタリック・ブテリン氏の発言によるものですので、アップデート時には想定外の価格の高騰も起きる可能性があります。
イーサリアム(ETH)を購入するのにオススメの取引所
運営会社 | フォビジャパン株式会社 |
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取扱通貨数 | 47種類以上 |
取引手数料 | 0%~0.2% |
Huobiは世界で最大級の取引量のHuobiが運営する国内取引所です。
イーサリアムは今後、今以上の価格上昇が見込まれ、期待を寄せる投資家も多いようです。
もしそのイーサリアムに投資したいのであれば、Huobi Japanがおすすめ。
イーサリアム(ETH)の今後のまとめ
イーサリアムの将来性や技術、注目される理由について解説しましたが参考にしていただけましたでしょうか?
イーサリアムは様々なアプリケーションや仮想通貨が誕生するプラットフォームで、大変重要な役割を担っています。
今後はイーサリアムを基盤としたサービスがさらに開発されることが期待されており、アップデートにより価格が上昇すると予想されています。
今後のイーサリアムの値動きを予測するためにも、機関投資家や仮想通貨界隈の著名人の発言、公式メディアからの発信情報に注目していきましょう。