SDGsの活動を行う団体・企業一覧!参加して共に持続可能な社会を実現しよう!

「SDGs(持続可能な開発目標)」について、実際に活動に取り組んでいる団体・企業を知っていますか?
SDGsは、地球の未来や私たちの生活をより良くするための目標として、国際社会全体で共有されているテーマです。
企業のSDGs参加にはさまざまなメリットがあります。しかし、具体的な取り組みや効果について、十分に認識している方は少ないのではないでしょうか?
そこで本記事では、SDGsの基本情報から、積極的に取り組む企業や団体、活動内容を詳しく解説します。
- SDGsとは持続可能な社会に向けた取組目標
- 安全な水の提供
- 障害者雇用の創出
- スポーツを通した健康増進、環境保護活動
SDGsはどうして大切なの?基本情報を解説!
SDGsは、「持続可能な開発目標」という意味の英語、Sustainable Development Goalsの略です。2015年に国連総会で採択された「2030アジェンダ」という行動計画の中核をなしています。
SDGsはすべての人々が持続的に良好な生活を享受するための目標を示したもので、以下の17の目標から構成されています。
- 貧困をなくそう
貧困層の人々の生活水準を向上させることを目的としています。 - 飢餓を終わらせ、食糧を確保し、栄養を改善する
すべての人々に安定した食糧供給と、栄養のある食事を提供することを目指しています。持続的農業の推進も含まれます。 - 健康と福祉を実現する
すべての年齢層の健康的な生活を確保・促進することを目指しています。伝染病の予防や治療、新生児の死亡率の削減などが含まれます。 - 質の高い教育をみんなに
包括的かつ平等な質の高い教育を全ての子供たちに提供し、生涯学習の機会を推進することを目指しています。 - ジェンダー平等を実現し、すべての女性と女児をエンパワーメントする
性別による差別を撤廃し、女性や女児の権利を保護・強化することを目指します。 - 水とトイレをみんなに
全ての人々に清潔で安全な水や衛生設備を保障することを目指します。 - エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
全ての人々が手頃で信頼性のある持続可能なエネルギーを確保することを目指します。 - 働きがいも経済成長も
持続可能な経済成長と、全ての人々にとって適切な雇用の機会を促進することを目指します。 - 産業と技術革新の基盤をつくろう
持続可能な産業の構築と革新的な産業の育成を推進します。 - 人や国を対象とした不平等をなくそう
経済的な不平等をなくすための政策や取り組みを実施します。 - まちづくりを持続可能に
人々の住まいを安全で持続可能なものにすることを目指します。 - つくる責任、使う責任
持続可能な消費と生産を促進することを目指します。 - 気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響への対応を強化することを目指します。 - 海の豊かさを守ろう
海洋と海洋の資源を持続可能な方法で利用し、保護・回復することを目指します。 - 陸の豊かさも守ろう
陸上の生態系を保護、回復し、持続可能な方法で利用することを目指します。 - 平和と公正をすべての人々に
平和で公正な社会を構築し、全ての人々の権利を保護することを目指します。 - パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のためにパートナーシップの強化を目指します。
これらの目標は、私たち一人一人が取り組むべき課題として位置づけられています。企業もまた、その実現に大きく寄与する存在です。
SDGsの取り組みは、企業の社会的責任を果たす活動の一環として、また新たなビジネスチャンスとして注目されています。
企業がSDGsに加入し取り組むことで享受できるメリット
企業がSDGsに加入し、取り組むメリットには次のようなものがあります。
- 自社のブランドイメージが向上する
- SDGsに加入している外部パートナーと新規事業に取り組める
- 地元から応援してもらえるようになる
- 地球環境問題の改善に貢献することが出来る
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
自社のブランドイメージが向上する
企業がSDGsに取り組むメリットには、自社のブランドイメージの向上が挙げられます。
なぜなら現代のビジネス環境では、単に製品やサービスを提供するだけではなく、社会的な価値の提供が求められているからです。
例えば、食品会社の「味の素」は地球の飢餓問題に積極的に取り組んでいます。ベトナムのホーチミン市に日本の学校給食システムを応用させた、「学校給食プロジェクト」をスタートさせました。
また、正しい栄養知識を届けるために、栄養士を育成する「ベトナム栄養関連制度創設プロジェクト」もスタート。2017年にはベトナム初の栄養士が43名誕生しました。
消費者は今や、製品の質だけでなく、その製品を生産する企業の価値観や社会的な取り組みを評価基準としています。
SDGsに取り組む企業は、社会的責任を果たす姿勢を持つことで、ブランドイメージ向上につながるのです。
SDGsに加入している外部パートナーと新規事業に取り組める
SDGsへの取り組みは、新しい外部パートナーを見つける機会につながります。多くの企業がSDGsの目標達成に努めており、共有の目標をもつ企業同士で新たな事業を創出することも可能です。
例えば、子どもの貧困問題に取り組む「セーブ・ザ・チルドレン」はSDGsの達成に向けて、さまざまな企業や団体とパートナーシップを組んでいます。
企業の収益の一部を寄付したり、「セーブ・ザ・チルドレン」のロゴを商品に使用しプロモーション活動を行うなどして、多くの企業・団体が子供の貧困問題解決に向けて協力しあっています。
このようにSDGsへの取り組みは、ビジネスの拡大や新しい市場が拡大する可能性を秘めているのです。
地元から応援してもらえるようになる
SDGsへの参加は、企業にとって外部との関係性を強化する大きな手段の一つです。特に地元コミュニティとの関係は、企業の存続や成長に向けて重要な要素と言えます。
例えば「証券ジャパン」では、以下のような活動を行っています。
- 地域のこどもや高齢者を見守る活動に参加
- お祭りの交通整理や給水などの運営サポート
- 地元小中学校での金融教育
- 海岸清掃ボランティアへの参加
このように、地域に根ざした活動は住民からの信頼や、企業のイメージアップにつながります。地域との信頼関係を築くことは、企業の成長や継続的な活動において大きな強みとなるのです。
地球環境問題の改善に貢献することが出来る
企業がSDGsに積極的に取り組むことで、地球環境問題の改善に貢献することもできます。
なぜなら、SDGsの中には「クリーンな水とトイレをみんなに」「気候変動に強い社会を」など、環境問題に取り組む目標が含まれているからです。
例えば、イオングループでは分別ゴミのリサイクル率向上や、食品排気量の削減などに取り組んでいます。
また、日本航空株式会社(JAL)ではCO2の排出量を従来から15%〜20%削減しました。さらに、機内食には持続可能な「未来の食材50」を採用しています。
SDGsへの参加は、企業が社会的責任を果たすためだけのものではありません。実際に地球環境の改善に貢献することができる重要な活動なのです。
SDGsの活動を行う団体・企業を紹介【活動内容付き】
ここでは、SDGsの活動を行う以下の団体・企業を紹介します。
- NGOACE
- アジア協会アジア友の会(JAFS)
- さんさん山城
- フォーエヴァーグリーン
- プロギングジャパン
それぞれの活動内容について、詳しく見ていきましょう。
NGOACE|児童労働問題の解決に取り組む
出典元:ACE公式サイト
団体名 | NGO ACE(エース) |
---|---|
活動内容 | 世界の子どのを児童労働から守る活動 |
代表者 | 岩附 由香 |
設立年度 | 1997年 |
公式HP | https://acejapan.org/ |
ACEは、児童労働根絶を目標に活動している団体です。ACEが取り組む児童労働問題はSDGsのSDGsの8.7ターゲットに設定されており、特に焦点を当てて取り組んでいます。
ACEでは児童労働を解決するために、以下の活動を行っています。
- 子ども・若者支援事業
インドとガーナで子どもの教育や貧困家庭の自立を支援する活動です。2,300人以上の子どもが児童労働から解放され、学校に通えるようになりました。 - アドボカシー事業
政府への政策提言や国際会議、海外NGOとの連携を通じた発信です。日本政府に児童労働への取り組み強化を求める署名活動では、174万人以上の署名を集めて提出しました。 - 啓発・市民参加事業
講演活動やイベント開催などを通じて、100万人以上の市民に児童労働を伝えました。児童労働を伝えるオリジナル教材は、消費者教育教材資料表彰の最優秀賞を受賞しています。 - ソーシャルビジネス推進事業
ガーナの支援地域で収穫されたカカオを原料に使用し、「児童労働のないチョコレート」を実現しました。
このように、ACEはSDGsに賛同し、児童労働の撲滅を目指したさまざまな活動を行っています。
アジア協会アジア友の会(JAFS)|アジアの貧困問題に取り組む
出典元:JAFS公式サイト
団体名 | アジア協会アジア友の会(JAFS) |
---|---|
活動内容 | アジア地域への水支援を通した貧困層への支援 |
代表者 | 篠原 勝弘 |
設立年度 | 1979年 |
公式HP | https://jafs.or.jp/index.html |
アジア協会アジア友の会(JAFS)は、アジアに「生命の水」を送るNGOです。活動は18カ国70地域に広がり、アジア開発途上国に住む人々の生活支援に取り組んでいます。
SDGsの目標「誰一人取り残さない」ことは、JAFSの理念と合致しており、安全な水を届ける活動を通してSDGs達成に貢献しています。
JAFSではSDGs達成に向けて、以下のような取り組みを行っています。
- 水の支援
アジア7カ国に2,150基の井戸・パイプラインを設置。遠くまで水を汲みに行かなくとも、安全で安心な水が手に入るようになりました。 - 教育支援
教育支援制度「アジア里親の会」を設立しました。日本の支援者が教育里親となることで、中途退学を減らし、農村部の子どもたちへ教育の機会を与えることを目指しています。 - 生活支援
貧困から抜け出すために、手に職をつけ自立するまでをサポート。農業や養鶏への就業支援や、ストリートチルドレンの就学支援などを行っています。
このように、ACEは児童労働問題解決に向けて、水の支援から教育支援まで幅広い活動を展開しています。
さんさん山城|聴覚障害者の就労を支援
出典元:さんさん山城公式サイト
団体名 | さんさん山城 |
---|---|
活動内容 | 特産品の製造や販売を通した聴覚障害者の雇用創出 |
代表者 | 新免 修(施設長) |
設立年度 | 2011年 |
公式HP | https://www.kyoto-chogen.or.jp/communityplaza/sunsunyamashiro/index.php#about |
「さんさん山城」は、聴覚障害者の就労を支援する場として、2011年4月に開所した団体です。
主な活動として、農業、食品・菓子加工、カフェ、縫製・工作、販売などがあり、聴覚障害や知的障害などがある人々が作業を行っています。
他にも以下のような活動に取り組んでいます。
- 廃業予定の茶園の継承
地域の特産品を栽培し、特産品を使用した加工品の開発・販売を行います。例えば茶葉を加工した商品としては、濃茶大福や濃茶クッキー、宇治抹茶などがあります。 - コミュニティカフェの運営
知覚障害や聴覚障害、精神障がいをもつ人々へ仕事の場を提供しています。コミュニティカフェの来場者は約5,000人から8,300人に増えました。 - イチジクとコンニャクの認知拡大
知的障害者がイチジクやコンニャク芋の製造・加工を行っています。レストランへ野菜を提供したり、単価の高い果実の栽培をしたりすることで、平成30年度の売上は700万円に上りました。
こうした活動はSDGsの目標である「すべての人々に健康と福祉を」に合致しており、持続可能な社会の実現に貢献していると言えます。
フォーエヴァーグリーン|気候変動を優先課題とし活動
出典元:フォーエヴァーグリーン公式サイト
団体名 | 特定非営利活動法人フォーエヴァーグリーン |
---|---|
活動内容 | 環境保護事業に関するコンサルティング |
代表者 | 渡邊圭 |
設立年度 | 2001年 |
公式HP | http://www.forever-green.jp/ |
特定非営利活動法人フォーエヴァーグリーンは、2001年に設立され、地球温暖化を防ぐための活動を開始しました。現在では環境保全ビジネスのコンサルティングや茶道を通した教育活動など、持続可能な社会の実現に向けて幅広く活動しています。
フォーエヴァーグリーンでは、以下のような活動を行っています。
- 環境学習と茶道体験を組み合わせたカリキュラム
茶道体験を通して、ものを大切にする心や思いやりの気持ちを学び、環境意識も高めていく体験型環境学習プログラムです。 - ローカルリレーションシップ
環境問題への取り組みをすすめる、地域コミュニケーション企画です。地域課題の解決を通して、社会貢献活動に参加できます。 - フードメディア商品の開発
横浜市立大学の学生と考案した、「I♥ヨコハマこまつなカレー」の販売。規格外野菜を使用し、出荷できなくなった小松菜を使ってCO2排出の削減に取り組みました。
このように、フォーエヴァーグリーンではSDGsの目標「気候変動」を最優先に取り組み、事業を展開しています。
プロギングジャパン|ゴミ拾いとジョギングを通した環境保全活動
出典元:プロギングジャパン公式サイト
団体名 | プロギングジャパン |
---|---|
活動内容 | プロギングの普及活動 |
代表者 | 常田英一朗 |
設立年度 | 2019年 |
公式HP | https://plogging.jp/?mode=grp&gid=2559718&sort=n |
プロギングジャパンはジョギングとゴミ拾いをかけあわせた、新しいフィットネスを提案する団体です。
プロギングとはジョギングをしながらゴミ拾いを行うスポーツです。2016年にスウェーデンのアスリートが始めたのをきっかけに、現在では100カ国以上で親しまれるスポーツとなりました。
プロギングジャパンは以下のような活動で、SDGsに貢献しています。
- ゴミ拾い
ゴミ拾いを行うことで、街がきれいになり、人々が気持ちよく生活できるようになります。 - 地域コミュニティの活性化
プロギングジャパンは日本各地でプロギングイベントを開催しています。プロギングのあとはBBQ大会やクラフトビール祭りを開催するなどして、参加者のコミュニティづくりにも繋がっています。 - 健康増進
プロギングでは3〜4kmほどの距離を走ります。ゴミ拾いをするので、普通のランニングよりも運動効果が高く、運動不足解消やダイエットにぴったりです。 - 環境教育
プロギングには子どもから大人まで、誰でも参加することができます。ゴミ拾いを通して、環境問題を考えるきっかけを提供しています。
プロギングジャパンは「ポジティブな力で足元から世界を変える」をスローガンに、明るい未来へ向けた意識づくりを広めています。
SDGsの活動を行う団体・企業一覧!まとめ
本記事ではSDGsの基本情報や、SDGsの活動を行う団体や企業についてまとめました。
- SDGsとは持続可能な社会を目指し、環境や教育、安全などに関する17のテーマから構成されている
- 企業のSDGsへの取り組みは、イメージアップやビジネスチャンスの開拓など、さまざまなメリットがある
- SDGsの達成に向けて、貧困問題の解決や安全な水の提供、障害者への雇用提供など企業によってさまざまな形で取り組まれている
このような活動に取り組む姿を見て、何か行動を起こしたいと感じる方もいるかもしれません。例えば、プロギングジャパンのように、散歩時にゴミを拾うだけのシンプルな活動から始めても良いですね。
SDGsの目標を達成するためには、一人ひとりが問題意識をもち、活動を広めていく必要があります。また、企業や団体として取り組むことも有効な手段です。
地球をより良い場所にするために、一緒に行動していきましょう。