「喪中はがきを受け取ったけどどのように返事をすれば良いのかわからない」「メールやLINEで返事をして良いのか知りたい」
本記事ではこのような疑問をお持ちの方に向けて、喪中はがきの返事について詳しく解説していきます。
友達に返事をする場合や、同僚や上司に返事をする場合、メールやLINEで返事をする場合など、さまざまなパターンに分けて紹介していきます。
正しいマナーで返事をして、トラブルのないようにしましょう。
- 喪中はがきが届いた時の返事・対応方法
- 喪中はがきの返事をする際のマナー
- 喪中はがきの返事をする例文
目次
喪中はがきが届いた時の対応の仕方
まずは喪中はがきが届いた時の対応の仕方を確認しておきましょう。
- 喪中見舞いで返事をする
- 寒中見舞いで返事をする
- 年始状で返事をする
- メールで返事をする
- LINEで返事をする
- 返事をしない
結論から申しますと、喪中はがきには厳密なルールはないので、どの対応方法でも問題はありません。
ただし、相手によっては失礼に捉えられてしまう対応方法もあるので、臨機応変に対応できるよう、それぞれ詳しく見ていきましょう。
喪中見舞いで返事をする
喪中お見舞い申し上げます
このたびは ご丁寧な挨拶状をいただきありがとうござます
お手紙を拝見し 初めて◯◯様のご逝去を知りました
お悔やみのご挨拶が遅れてしまい 申し訳ありませんでした。
遅ればせながら ◯◯様のご冥福を心よりお祈りします
書中ではございますがお悔やみ申し上げます
喪中見舞いで返事をするのが一般的な対応方法の一つです。
喪中見舞いというのは、喪中の方へ対して、お悔やみの品や香典を送ることです。
そして、喪中見舞いの際にはがきを添えるのが一般的なマナーなので、これを喪中はがきの返事とします。
喪中見舞いを送る時期というのは特に決まっているわけではありません。
ただし、喪中見舞いというのは、次に紹介する「寒中見舞い」よりも早くお悔やみの気持ちを伝えたいという形で始まっているため、喪中はがきを受け取ったらできるだけ早く送るのが一般的です。
「寒中見舞い」は1月8日から2月にかけて送るので、少なくとも年内には送るようにしましょう。
別の言い方をすれば、相手に対して正式な形ですぐにでも返事をしたいのであれば「喪中見舞い」で返事をしましょう。
寒中見舞いで返事をする
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と存知 年頭のご挨拶はご遠慮させていただきました
◯◯様がご逝去され ご家族の皆様にはお寂しい毎日をお過ごしのことと お察しいたします
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈りします
寒い日が続きますが どうかお体を大切にお過ごしください
最も一般的な対応方法が、寒中見舞いでの返事です。
特別な理由がなく、返事の方法もこだわりがないのであれば、基本的には寒中見舞いで返事をすれば問題はありません。
なお、寒中見舞いが送れるのは、毎年変わりますが、1月8日から2月の頭(立春)となっています。
立春を過ぎてしまった場合は、余寒見舞いとして送るようにしましょう。
年始状で返事をする
謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
◯◯様(故人)のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに ◯◯様(相手)にとって穏やかな年となりますこと お祈りいたします
本年もどうぞよろしくお願いいたします
一般的な方法ではありませんが、年始状で返事をすることもあります。
年始状とは新年のあいさつをするためのはがきです。
喪中はがきを受け取ったら、年賀状は送らないのが一般的です。それは年賀状は「新年を祝うもの」だからです。
なぜ新年を祝うものが良くないのかと言うと、不幸があった方にとっては「新年は祝う(おめでとうと言える)状態ではない」ためです。
つまり、別の考え方をすれば、年賀状は送らなくとも、新年を迎えたことによる挨拶をすること自体は問題はありませんし、年始にはがきを送ることも問題はありません。
ただし、一般的な方法ではなく、現代においてなじみがあるとも言えないので、注意しましょう。
メールで返事をする
件名:お悔やみ申し上げます
ご連絡いただきありがとうございます
謹んでお悔やみ申し上げます
体に気をつけて新しい年を迎えてください
あまり一般的な方法ではありませんが、メールで返事をすることもあります。
ただし、基本的に喪中はがきを受け取ったのであれば、寒中見舞いや喪中見舞いとして返事をします。
そのため、メールでの返事は、メールで喪中のお知らせを受けた場合に限ると考えておきましょう。
具体的にルールがあるわけではありませんが、喪中はがきを受け取って、メールで返事をするのは失礼に捉えられることもあるので注意しましょう。
また、喪中メールを受け取った場合は「返信不要」としている場合が多いですが、それでも基本的には返信をします。
LINEで返事をする
ご連絡をいただき、ありがとうございます
ご冥福をお祈り申し上げます
寒い日が続きますが、お体に気をつけてよい年を迎えてください
大変な時に、連絡ありがとう
謹んでお悔やみ申し上げます
落ち着いたらご飯でも行きましょう
来年もよろしくお願いします
親しい間からであれば、近年ではLINEで返事をすることもあります。
ただしこちらも、メールと同じように、LINEで喪中のお知らせを受け取った場合にのみ、LINEで返事をしましょう。
LINEだからと言って、文章を崩して良いわけではありませんが、LINEでお知らせをする間柄であれば、一般的な定型文は使わずにいつものような形で、なおかつ失礼のないように接するのがベターと言えます。
連絡をしてくれた感謝の言葉と、相手を気遣う言葉は忘れないように返事をしましょう。
返事をしない
返事をしないという対応方法もあります。
相手の関係性によっては返事を出さなくても問題はありません。
これまで紹介しているように、喪中はがきには厳密なルールがないので「あまり関係性が深くない」ということであれば、返事をしなかったとしても問題にはなりません。
とはいえ、このあたりのルールは非常にあいまいですし、相手によっては「喪中はがきを出したから返事をしてほしい」という人がいても何らおかしくはありません。
そのため、迷うぐらいであれば基本的には返事をしておきましょう。
喪中はがきの返事をする時の一般的なマナー
喪中はがきの返事をするなら、一般的なマナーについても理解しておきましょう。
- 忌み言葉・重ね言葉を使わない
- 句読点を使わない
- 頭語・結語・おめでたい言葉・励ましの言葉・アドバイスを使わない
- 普通切手を使用する
- おめでたいデザインのはがきは避ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
忌み言葉・重ね言葉を使わない
忌み言葉・重ね言葉は使ってはいけません。
死・四・九・苦・浮かばれない・迷う・敗れる・おしまい・無くす・去る・滅びる・痛み・切れる・忌み・悪い・相次いで・衰える・終わりに・最後に など
いよいよ・いろいろ・くれぐれも・ぜひぜひ・たまたま・ますます・またまた・・まだまだ・重ね重ね・時々・度々 など
忌み言葉は不吉なことを連想させますし、重ね言葉も繰り返すことが、死・不幸を繰り返すと連想させてしまうためタブーとされています。
特に自分の言葉で返事をする際は、重ね言葉を使ってしまいがちなので、注意しましょう。
句読点を使わない
句読点を使わないのもマナーの一つです。
はがきで返事をする場合は意識をしやすいですが、メールでの返事だと無意識に句読点を使ってしまいかねないので注意しましょう。
なお句読点がないことによって読みづらい場合は、間にスペースを置いて書きましょう。
頭語・結語・おめでたい言葉・励ましの言葉・アドバイスを使わない
頭語と結語は喪中はがきでは使いません。
拝啓・啓上・謹啓・恭啓・粛啓・謹白・謹呈・急啓・急呈・拝復・復啓・謹復・前略 など
敬具・敬白・拝具・謹言・謹白・頓首 など
おめでたい言葉や、励ましの言葉、アドバイスなどもしないのが一般的です。
おめでたい言葉は「おめでとうございます」などの言葉の他に「賀正」「迎春」などもおめでたいとされているので注意しましょう。
励ましの言葉やアドバイスも、相手を思いやるあまりに使ってしまいがちなので注意が必要です。
「頑張ってください」「元気を出してください」「考えすぎないように」「思いつめても仕方ないよ」などの言葉はできるだけ避けましょう。
ただし、LINEで親しい友人に返事をする場合は、この限りではありません。
親しい間柄であれば、励ましの言葉がプラスとなる場合もあるので、臨機応変に返事をしましょう。
普通切手を使用する
返事に使うはがきに貼る切手は、普通切手にしましょう。
弔事用の切手があるので、そちらを選んでおけばベターです。
おめでたいデザインのはがきは避ける
おめでたいデザインのはがきは避けましょう。
華やかなデザインのはがきや、縁起物が描かれたはがきは喪中の方に送るには適していません。
白か寒色のデザインのものにしましょう。
喪中はがきの返信に厳密なルールは存在しないので臨機応変に対応すること
これまで喪中はがきの返事に関するマナーや、返事の方法について詳しく解説してきましたが、喪中はがきの返事に関して、明確なルールは存在しません。
そのため、臨機応変に対応することが大事です。
例えば年始状を送るという対応方法は、比較的近年根付いたものなので、相手によっては「なんで喪中はがきを送ったのに年始に送ってくるの?」と疑問に思われてしまうかもしれません。
また、LINEで親しい友達から喪中のお知らせが来た場合に、突然かしこまった文章を送ってしまっては、逆に冷たい印象を持たれてしまう可能性も考えられます。
そのため、相手に合わせて最適な返事をするように心がけましょう。
もし返事の仕方に迷ったら、最も一般的な対応方法である寒中見舞いを、1月8日から立春までの間に送れば、大きなトラブルになることはありません。
そしてメールでお知らせが来た場合は、メールで返信し、LINEでお知らせが来た場合はLINEで返信をするようにしましょう。
喪中はがきの返事に関するよくある質問
最後に喪中はがきの返事に関するよくある質問に答えていきます。
- 返事はしなければならない?
- 香典は必要?
- 自分も喪中の場合はどうする?
- 親しい上司や同僚・友達に対してはどのように返事をする?
気になる内容があれば、ぜひともチェックしていただき、疑問点を解消してから返事をしましょう。
返事はしなければならない?
喪中はがきは返事をするのが一般的ではありますが、必ずしも返事をしなければならないわけではありません。
関係性が薄いのであれば返事をしない場合もありますし、人によっては関係性など問わずにそもそも返事をしないこともあるでしょう。
これまで紹介したように、厳密なルールがあるわけでもないので、返事をどのようにするべきなのか、返事をそもそもしないのかは個人の自由です。
「返事をするのが一般的ではある」ということは念頭に置いて、自分なりの対応方法を考えましょう。
香典は必要?
香典を送ると、相手もお返しを用意する必要が出てくるため、気を遣わせてしまうという側面があります。
そのため、香典は不要という考え方が多いです。もし送ろうか迷っているのであれば、必要ないと考えて問題ありません。
ですが、親しい相手でどうしても弔意を示したいのであれば送りましょう。送ることは失礼には当たらないので、その点は安心です。
ただし、相手に対して気をつかわせてしまわないような内容にしましょう。
自分も喪中の場合はどうする?
自分も喪中の場合でも返事はするのが一般的です。
通常の場合と変わらずに、同じように返事をしましょう。
ただし、もし自分が喪中はがきを出そうと思ったときに、ちょうど相手から喪中はがきが届いた場合は少し特殊な返事をすることになります。
その場合は、相手に届けようとした喪中はがきの内容を一部変更し、相手へのお悔やみの言葉も添えて返事をしつつ喪中はがきを送りましょう。
親しい友達に対してはどのように返事をする?
大変な時に連絡をくれてありがとう
心よりお悔やみを申し上げます
何か私にできることがあれば
落ち着いたらご飯でも行きましょう
来年もよろしくお願いします
親しい上司や同僚・友達に対しての返事は、喪中はがきでの返事の場合は通常と大きな違いはないと考えて良いでしょう。
ただし、LINEで送られた場合は、喪中はがきでの返事のような固い文章を送る必要はありません。
相手との間柄にもよりますが、一般的なマナーよりも気持ちを優先して接してあげるのも一つの手です。
参考文献:心を伝える手紙・はがきの書き方文例事典
まとめ
喪中はがきの返事はさまざまな方法で行えますが、基本的には寒中見舞いで返事をします。
ただし、LINEで来た場合はLINEで、メールで来た場合はメールで返事をしましょう。
ただし、厳密なルールがあるわけではないので相手に合わせて、臨機応変に対応することが大事ですよ。