投資家Aさん
結論を先に言うと、ピボット単体でトレードをしても勝てない可能性が高いです。
しかし、パラメーターの数値の設定がないので、他のFX取引している人と同じところにラインを出すことができるので信頼度が高いといえます。
- ピボットだけでは勝つことは正直難しい
- 勝率を上げるには2つの戦略がある
- 具体的な2つの手法を紹介
- トレードをする際の3つの注意点がわかる
本記事を参考にすることで、FXのピボットがどのようなモノなのかがわかるだけではなく、活用方法もあわせてわかるようになります。
プロトレーダー
目次
FXのピボットとは?
FXで使えるピボットとは、前の日の高値、安値、終値の数値を計算して、チャート画面上にラインを表示しトレードに役立てるテクニカル指標のことをいいます。
ピボットはJ・ウエルズ・ワイルダー・ジュニアさんが作り出し、正式的な名前は「The Reaction Trend System(リアクション・トレンド・システム)」といいます。
投資家Aさん
- ライン7本を使ったテクニカル指標
- パラメーター設定がない
- ピボットの計算方法
- MT4・MT5を使えば簡単に導入できる
1つずつ詳しく解説していきます。
ライン7本を使ったテクニカル指標
ピボットはライン7本を使ったテクニカル指標で、以下のようにラインを引くことができます。
- R3:レジスタンス(抵抗)ライン3
- R2:レジスタンス(抵抗)ライン2
- R1:レジスタンス(抵抗)ライン1
- PP:ピボットポイント
- S1:サポート(支持)ライン1
- S2:サポート(支持)ライン2
- S3:サポート(支持)ライン3
ライン7本の中で真ん中に表示させるピボットポイントは、相場が現在売りが優勢か買いが優勢かを判断する材料になります。
レジスタンス1とレジスタンス2はレジスタンス(抵抗)ラインとして使われます。
レジスタンス3は上昇トレンドに変わるポイントとして見られます。
サポートライン1とサポートライン2はサポート(支持)ラインとして使われます。
サポートライン3は下降トレンドに変わるポイントとして見られます。
投資家Aさん
パラメーター設定がない
ピボットの特徴としてパラメーター設定がないので、世界中のFXトレーダーと同じ設定で取引をすることが可能です。
例えば、移動平均線や水平線は人によって数値や場所が少し異なりますが、ピボットは数値が決まっているのでズレがないのです。
投資家Aさん
ピボットは前の日に高値、安値、終値の数値を計算してラインをチャート上に表示させます。
簡単にチャート上に導入できますし、いちいち計算をする必要がないので、誰でも同じラインを表示させることができるのです。
プロトレーダー
ピボットの計算方法
ピボットは4つの計算式のパターンがあります。
C+H+L÷3=PP
前の日の終値+前の日の高値+前の日の安値÷3=ピボットポイント
ピボットポイントよりもチャートが上にあれば買いの勢力が強く、下にあれば売りの勢力が強いと考察できます。
PP+(PP-L)=R1
ピボットポイント+(ピボットポイント−前の日の安値)=レジスタンスライン1
PP-(H-PP)=S1
ピボットポイント−(前の日の高値−ピボットポイント)=サポートライン1
ピボットポイントから一番近いレジスタンスラインとサポートラインになります。
それぞれのラインで反発をするか、抜けて勢いがつくかの判断に使うことができますね。
PP+(H-L)=R2
ピボットポイント+(前の日の高値−前の日の安値)=レジスタンスライン2
PP-(H-L)=S2
ピボットポイント−(前の日の高値−前の日の安値)=サポートライン2
ピボットポイントから2番面近いラインになります。
レジスタンスライン、サポートライン1を抜けても、2のラインで勢いが止まるだろうと予想して今後の値動きの材料にすることができます。
R1+(H-L)=R3
レジスタンスライン1+(前の日の高値−前の日の安値)=レジスタンスライン3
S1-(H-L)=S3
サポートライン−(前の日の高値−前の日の安値)=サポートライン3
ピボットポイントから一番離れたラインになりますね。
レジスタンスライン1、2とサポートライン1、2は反発する可能性があるとして、逆張りトレードが有効とされています。
しかし、レジスタンスライン3とサポートライン3までチャートが動くと、順張トレードが有効とされています。
上記のチャート画像のようにレジスタンスライン3を抜けると、そのまま上昇していきました。
プロトレーダー
MT4・MT5を使えば簡単に導入できる
ピボットはMT4やMT5で簡単に導入することができます。
しかし、元から搭載されているテクニカル指標ではないので、MT4とMT5と準備したらにご自分でダウンロードする必要があります。
プロトレーダー
FXのピボットを使うメリットとは?
FXでピボットを使うメリットは、なんと言っても世界中のFXトレーダーと同じラインをチャート上に表示させられることです。
なぜなら、ピボットは計算式をもとにラインを引くので、誰でも同じ場所にラインを表示できるからです。
他にもRSIやMACD、ボリンジャーバンド、移動平均線などは自分で数値を設定するので、少なからず他の人とズレが出てしまいます。
例えば、移動平均線でいうと、20日移動平均線を表示させている人もいれば、50日移動平均線を表示させている人もいます。

赤:20日移動平均線・青:50日移動平均線
投資家Aさん
つまり、パラメーター設定が同じピボットは、全世界のFXトレーダーに意識されやすいラインということになりますね。
プロトレーダー
FXのピボットは勝てないのか?
FXのピボットは本当に勝てないのか?について紹介します。
- ピボットだけでは勝つのは難しい
- 移動平均線を組み合わせる
- フィボナッチリトレースメントを組み合わせる
1つずつ詳しく解説していきます。
ピボットだけでは勝つのは難しい
FXのピボットは買いや売りのポイントを見つけるものではなく、相場の状況を見るためのものです。
つまり、ピボットだけ表示させてラインに触れたら買いや売りをするだけでは、なかなか資金を増やすことは難しいでしょう。
投資家Aさん
確かにFXはピボットを表示させるとラインで反発をする箇所があるので、どうしても単純に反発したタイミングでポジションを持ってしまう人がいます。
しかし、FXはそんなに単純ではないのでピボットだけで勝つことは難しいでしょう。
ピボットを使って勝ちたいのであれば、他のテクニカル指標や手法と組み合わせることをおすすめします。
プロトレーダー
移動平均線を組み合わせる
FXはピボットと移動平均線を上手に組み合わせることで、勝率を上げることが可能かもしれません。
なぜなら、ピボットはレジスタンスやサポートする場所を把握することが可能なモノで、移動平均線は長期のトレンドを把握できるモノだからです。
FXは長期のトレンドにチャートが動く傾向があるので、ピボットと組み合わせることで買いや売りの戦略立てが可能になります。
例えば、移動平均線を表示させて週足や日足のトレンド把握し、4時間足や1時間足でピボットを表示させてトレードすることができるかもしれません。
- 移動平均線:長期足のトレンドを把握する
- ピボット:トレード足で反発するポイントを把握する
上記のようにピボットと移動平均線を組み合わせることで、ピボット単体よりも勝率を上げることができるでしょう。
プロトレーダー
フィボナッチリトレースメントを組み合わせる
フィボナッチリトレースメントはピボット同様に、反発するポイントを探ることが可能です。
主に38.2%~61.8%で反発する可能性が高いとされているので、ピボットとフィボナッチリトレースメントのラインが重なる部分を見つけてみましょう。
2つのラインが重なるところは反発が高い可能性が高まるので、買いや売りの戦略を立てる材料にすることが可能です。
プロトレーダー
FXのピボットを使った戦略
FXでピボットは単体でもあまり効果を発揮しませんが、上手に使うことで戦略を立てやすくなるはずです。
- 短時間のトレードに向いている
- 他のインジケータと組み合わせる
1つずつ詳しく解説していきます。
短時間のトレードに向いている
FX取引でピボットを使う際は、短時間のトレードで本領発揮するので長期的な相場分析には向いていません。
なぜなら、ピボットの計算式は前の日の高値、安値、終値を使い、当日の値動きを予測するものだからです。
例えば、前の日の価格をもとに、1週間後の値動きを予測するのは難しいですよね。
ピボットは当日の値動きを予測するために使うことができるので、スキャルピングやデイトレード向けと言っていいでしょう。
プロトレーダー
他のテクニカル指標と組み合わせる
ピボットは他のテクニカル指標と合わせることで、より勝率にこだわったFXトレードをすることができるかもしれません。
移動平均線と組み合わせることで長期的なトレンドを把握するのが楽になるので、戦略を立てやすい組み合わせになるでしょう。
上記の画像のように、ピボットと移動平均線を組み合わせることでトレンドの方向性や反発しやすいポイントを探ることが可能になります。
トレンドに合わせてピボットのラインを確認することで、新規注文や損切り、利確のタイミングを見つけやすくなりますね。
プロトレーダー
FXのピボットを使った具体的な手法
FXで利益を上げるためにピボットを使った具体的な手法を2つ紹介します。
- 順張りトレードを行う手法
- 逆張りトレードを行う手法
1つずつ詳しく解説していきます。
順張りトレードを行う手法
上記のチャート画像のように、R1(レジスタンスライン1)を明確に上抜けしたタイミングで買いを入れましょう。
R2(レジスタンスライン2)あたりまで価格が上昇したタイミング利確する、というような目安に使うことができますね。
しかし、ピボットのラインだけを見るのではなく、移動平均線を組み合わせることで順張りが優位性が高いが考察することが可能です。
プロトレーダー
逆張りトレードを行う手法
上記のチャート画像のように、R2(レジスタンスライン2)で反発したタイミングで売りを入れた場合がどうなるか見てみましょう。
R1(レジスタンスライン1)あたりまで価格が下落したきたタイミングで利確をする、という目安に使うことができます。
ピボットの逆張りは以下のルールでトレード戦略を立てている方が多いようです。
- サポートライン1、2で買いを入れ、レジスタンスライン1、2で利確
- レジスタンスライン1、2で売りを入れ、サポートライン1、2で利確
上記のようなルールでトレード戦略を立てることができますが、必ずしも利益が上がるわけではないので注意が必要です。
プロトレーダー
FXでピボットを使う際の注意点
FXでピボットを使う際の注意点を紹介します。
- スイングトレードに使いづらい
- チャート画面が見づらくなる
- ピボットのみのトレードは避ける
1つずつ詳しく解説していきます。
スイングトレードに使いづらい
ピボットは前の日の価格をもとに計算をするので、その日に決済をする人が多いデイトレードが適しているといえます。
しかし、スイングトレードのように長期的にポジションを保有して利益を上げる手法はピボットが使いづらいです。
ですが、週足や月足のピボットを表示することも可能なので、自分のトレードスタイルに合わせてラインを表示させた方がいいですね。
プロトレーダー
チャート画面が見づらくなる
FXで利益を上げるためにはピボットだけでは難しいので、他のテクニカル指標を表示させた方がいいです。
しかし上記の画像のようにピボットと移動平均線2本を表示しただけで、チャート画面が見づらくなってしまいますよね。
FXに慣れていない方からすると、ごちゃごちゃして逆に戦略が立てつらくなるかもしれません。
プロトレーダー
ピボットのみのトレードは避ける
FXはピボットのみのトレードだと勝てない可能性が高くなります。
なぜなら、ピボットのラインで反発することもあれば、そのまま抜けていくこともあるからです。
例えば、レジスタンスライン2まで価格が上昇したら売りを入れる戦略を立てても、そのまま上昇することもあるのです。
なので、FXで勝率を上げたいのであれば、ピボットだけでトレードするのは避けたほうがいいです。
プロトレーダー