このまま待っているだけで、離職票がくるのか不安
離職票は基本的に会社を退職してから10日ほどで届きますが、退職したことがない人は本当に無事に届くのか不安だと思います。
かといって、一度辞めた会社に状況を確認するのは気が引けますよね。今回は離職票が届かなくて不安な人に向けて、離職票が届かない理由や届かないときの対処法を詳しく解説していきます。
- 会社は離職票の発行を法律で義務付けられている
- 離職票が届くのは退職してから10日~2週間後
- 離職票が届かない理由は5つ
- ハローワークに相談すれば、会社に催促してくれることもある
- 退職代行を利用すれば、離職票が確実に受け取れる!
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【結論】離職票を届けないという嫌がらせをする会社は少ない
結論から言うと、会社が嫌がらせで「離職票を届けない」という手段に出ることはあまりありません。
なぜなら離職票を発行しないのは法律違反なので、罰則を受けることになるからです。しかし残念ながら一部のブラック企業は例外になります。
離職票は、退職したときに会社から発行される退職書類の一つです。退職日や退職理由、給料などについて記載されており、ハローワークで失業保険の受給申請をする際に必ず必要になります。
離職票がないと次の転職先が決まっていない場合や再就職まで期間が開いている場合などに、失業保険の受給申請ができなくなるので非常に困りますよね。
離職票を発行しないと雇用保険法違反になるから
離職票を発行しないことは、法律違反です。雇用保険法第76条3項には「離職者から求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を求められたら、必要な証明書を交付しなければならない」と定められています。
つまり労働者から「離職票が欲しい」と申し出があったら、離職票を発行しなくてはいけないということです。もし違反した場合、雇用主は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金になります。
また労働基準法第22条でも「従業員が使用期間や賃金又は退職の事由などの証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない」と明示されています。
こちらを違反した場合罰則はありません。しかし労働基準監督署からの勧告を受けたり離職者から損害賠償請求をされたりするリスクがあります。
このような罰則やリスクがあることから、たいていの会社は速やかに離職届を発行してくれるのです。
ブラック企業だと離職票・喪失届を発行しないこともある
たいていの会社では従業員が退職すると、速やかに離職票を発行してくれます。ところが一部のブラック企業は嫌がらせで離職票や喪失届を送ってくれないケースもあるようです。
離職票は失業保険の受給申請に必要なだけでなく、健康保険の切り替えで提出を求められる場合があります。さらに健康保険は切り替えに期限があり、遅れると罰金を払わなくてはならないこともあるので注意が必要です。
また喪失届とは正式には「雇用保険被保険者資格喪失届」といいます。喪失届を会社がハローワークに提出してくれないと、新しい会社で雇用保険に加入手続きができません。
当然ながらハローワークの手続き上「退職していない」ことになっているので、失業保険の受給申請もできないです。
【前提】離職票は退職してから10日ほどで手元に届く
離職票は基本的に退職してから、10日ほどで手元に届きます。離職票が手元に届くまでには、以下のような段階があります。
- ① 会社が離職票を作成
- ② 会社が離職票をハローワークへ提出
- ③ ハローワークから会社へ離職票を発送
- ④ 会社から本人へ離職票が届く
会社からハローワークへ離職票を提出するまでの期間は、法律で「退職日の翌日から数えて10日以内」と決まっています。
気になったときは、まず会社に問い合わせて確認するようにしましょう。
ただし退職や入社の多い3月~4月頃は、ハローワークも手続きが集中して忙しくなります。その時期には、通常より離職票が届くまで時間がかかるかもしれません。
10日以上過ぎたのに離職票が届かない!考えられる理由
3月~4月頃はハローワークの手続きが混み合ってしまい、離職票の到着までに1ヶ月ほどかかるケースもあります。
また、他に離職票が届かないと考えられる可能性は5つです。
- 離職票の送付先が間違っていた
- 会社側に離職票発行を依頼していない
- 会社が嫌がらせをしてあえて発行していない
- 離職票の発行を会社側が忘れている
- 雇用保険に加入していない
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離職票が届かないのは会社ではなく、自分のせいの場合もあります。
理由①離職票の送付先が間違っていた
一つ目の可能性として、離職票の送付先が違うことが考えられます。
- 退職後すぐに引っ越して、転居先の住所を会社に伝えていない
- 在職中に引っ越していたが、会社に届け出ていなかった
会社がどんなに早く手続きをしてくれても、送付先の住所が違っていては手元に届くことはありません。また「宛先不明」の郵便物が会社に戻ってくるのには、1週間ほどかかります。
そこから会社から離職者に連絡がいき正しい住所に送付し直すことになるので、20日以上かけて受け取ることになるでしょう。
また在職中に転居していた場合は、離職票を作成し直さなければいけないときもあります。そうなると、さらに時間がかかってしまうかもしれませんのでご注意ください。
理由②会社側に離職票発行を依頼していない
先ほどご紹介した労働基準法第22条を、詳しく見てみましょう。
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
(労働基準法第22条抜粋)
引用元:e-GOV 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document
雇用主には離職票を発行する義務があります。しかしこの義務は労働者が「離職票をください!」と、請求した場合に限り発生します。
もちろん退職してから離職票の発行を希望することも可能です。しかし失業保険を受給できるのは、退職日の翌日から1年間と期限があります。
期間を置いてから申請すると失業保険を受け取れなくなる可能性もあるので、退職前に離職票希望の旨を会社に伝えるようにしましょう。
理由③会社が嫌がらせをしてあえて発行していない
ごくまれにですが、会社が嫌がらせのために離職票を発行しないケースもあります。この場合はどんなに会社に催促をしても、あの手この手で突っぱねられてしまうでしょう。
なぜなら離職票を発行しないのは法律違反ですが、労働者が「離職票を希望した」明確な証拠はないからです。
証拠がなければ法律違反でも、罰則を受けたり労働基準監督署から勧告を受けたりする可能性は低くなります。またブラック企業は労働者が会社にたてついて、損害賠償請求してくるなんて思ってもいないです。
会社が嫌がらせで離職票を発行しないときは、ハローワークや弁護士に相談するのが正解です。
理由④離職票の発行を会社側が忘れている
離職票の担当者が他の業務で忙しく、忘れてしまっているケースもあります。離職票発行は会社の義務なので本来はあってはならないことです。
しかし慢性的に人手不足の会社や離職・入社の多い手続きが立て込む3~4月頃にはあり得ないことではありません。
また近頃はハローワークや年金事務所などの書類の電子申請が進められていることから、担当者が操作に不慣れで手間取っているという可能性も考えられます。
このようなケースは会社も嫌がらせで発行していないわけではないので、催促の連絡さえすれば急いで手続きをしてくれるはずです。
理由⑤雇用保険に加入していない
そもそも、雇用保険に加入していなければ離職票は発行されません。会社は一定の条件を満たした場合、労働者を雇用保険に加入させる義務があります。
オルサポスタッフ
雇用保険に未加入だと、退職後の失業保険がもらえなかったり職業訓練を受けられなかったりと労働者にとって不利益なことがあります。
もし退職してから雇用保険の未加入がわかった場合、会社に加入を要求することが可能です。しかし相手がブラック企業の場合、交渉は難航するかもしれません。
10日以上経つのに離職票が届かない時の対処方法
離職票が届くまでの目安の期間は10日です。離職票は退職後の様々な手続きに必要なので、届かないと不安ですよね。
ここでは離職票が届かない時の対処法をご紹介します。
- 対処方法①可能なら会社に発行を催促する連絡を入れる
- 対処方法②ハローワークに離職票が発行されないことを伝える
- 対処方法③失業保険受給の手続きを先に済ませる
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対処法①→②→③の順番に実行していきましょう。
対処方法①可能なら会社に発行を催促する連絡を入れる
まずは、発行元である会社に連絡をしてみましょう。会社に連絡すれば、今離職票がどのような状況なのか簡単に把握することができます。
すでに入れ違いで自宅に発送してくれているかもしれませんし、会社からハローワークへの申請は終わっていて返送待ち状態かもしれません。
また担当者が忙しくて忘れているなら、急いで手続きするよう促すこともできるでしょう。このように会社に1本電話を入れるだけで、解決できるケースはたくさんあります。
しかし会社との関係がよくない場合、自分から連絡するのは勇気がいりますよね。そのようなときは、無理に会社に電話することありません。対処法②のハローワークに相談してみましょう。
対処方法②ハローワークに離職票が発行されないことを伝える
ハローワークに会社が離職票を出してくれないことを伝えましょう。ハローワークが会社に離職票発行を催促してくれるはずです。
ただしあまり早くハローワークに相談すると、「もう少し待ってみてください」「会社に電話してみてください」と言われる場合もあります。ハローワークに相談するときは、2週間経過後くらいがおすすめです。
何度も繰り返しになりますが、離職票の発行は会社の義務です。ハローワークから早く発行するように催促されれば、たいていの会社は速やかに発行に応じます。
しかし悪質な企業は、ハローワークの再三の催促されても応じないケースもあるようです。
最終手段として退職を証明する書類があれば、ハローワークから離職票をもらえるケースもあります。諦めずにハローワークと相談しながら、解決していきましょう。
対処方法③失業保険受給の手続きを先に済ませる
次の仕事が決まっていない人は安定した収入ありません。失業保険を受給する手続きができないと、今後の生活が不安になりますよね。
実は失業保険は離職票がなくても先に仮手続きすることができます。退職した日から12日以上経過しても離職票が届かないときは、ハローワークに行って事情を説明し、失業保険給付の仮手続きをしましょう。
以下の物を用意しておくと、手続きがスムーズです。
- 振込口座の口座番号がわかる通帳やキャッシュカード
- マイナンバーカード
- 運転免許証など本人確認ができるもの
しかし仮手続きができても最初の認定日までに離職票がないと、失業保険の給付が保留になってしまいます。仮手続きができたからと安心せずに、ハローワークには引き続き相談しながら手続きを進めましょう。
離職票が発行されず会社に連絡したくない時は退職代行かハローワークを頼る
離職票が発行されないようなブラック企業には、何度自分で催促しても時間の無駄です。対処法でご説明した通り、ハローワークから会社に催促してもらったり失業保険の仮手続きを先に進めたりするようにしましょう。
しかしそもそもブラック企業からの退職は「退職すると伝えて怒られないか」「嫌がらせされずに無事に退職できるか」など、不安がたくさんありますよね。
自分で会社と退職や離職票について交渉するのが怖いときは、退職代行の利用がおすすめです。退職代行を利用すれば、会社と直接話すことなく退職することができます。
また離職票希望や離職票を発行しなかったときのリスクを会社にしっかり伝えてくれるので、10日以内に離職票の受け取りが可能です。
また万が一離職票が届かなくても、依頼者に代わって会社に催促してくれます。利用するのに多少費用がかかりますが、退職代行はあなたの希望通りの退職を叶える強い味方になるはずです。
離職票が発行されない時の対応手順をご紹介!
離職票が発行されない時の対応手順を、ここでまとめておきましょう。
会社へ離職票の状況を問い合わせましょう。返答によって次の行動が変わってきます。
- 会社で手続きが滞っている場合…早く送ってくれるように催促する
- ハローワークで止まっている場合…ハローワークにどのくらいかかるか問い合わせる
- 嫌がらせの場合…ハローワークに相談する
離職票を貰わないはNG!必要な理由を解説
離職票は一般的に「次の仕事が決まっていたらもらわなくて大丈夫」と言われています。しかし次の仕事が決まっていても、離職票は貰っておいたほうが絶対にいいです。
なぜなら新しい職場の入社時に、提出を求められる場合があるからです。離職票は前の会社の名前や退職日が記載されていることから、「在職証明書」や「離職証明書」として役立ちます。
もちろん離職票は、退職した後で請求することはで可能です。しかしそれでは提出までに時間がかかってしまうので、退職時に貰っておくのがベストでしょう。
雇用保険の一種である失業保険を受給する際に必要だから
転職先が決まっていないなら、絶対に離職届は貰っておきましょう。離職票がないと、失業保険受給の手続きができません。もし離職票なしで失業保険の仮手続きができたとしても、最終的には離職票が必要になります。
また通常離職票があって受給申請をした場合でも、失業保険の給付が始まるのは2ヶ月以上先になります。つまり離職票が手元に届いていない期間が長くなるほど、失業保険の給付スタートは遠のいていくのです。
最後にどうしても会社が離職票を発行してくれない場合、「会社を離職した事実がわかる書面」があれば、ハローワークの所長の権限でハローワークから離職票を発行してもらえるケースもあります。
会社から離職票が届かなくても泣き寝入りせずに、ハローワークに指示を仰ぐようにしましょう。
離職票が届かなくて嫌がらせを受けている?まとめ
離職票が届かないのは住所を会社に伝えてなかったり、離職票希望を伝えていなかったりと自分のせいであるケースもあります。
しかし会社側のミスや嫌がらせなどの可能性も大いにあり得ます。もし離職票が届かないときはまずは会社に問い合わせ、ダメならハローワークに相談しましょう。
また退職前から「ブラック企業で退職が言いにくい」「上司が怖い」というときは退職代行を頼ってください。退職代行なら会社と連絡を取らなくてもスムーズに退職でき、離職票の心配もなくなります。