A・Kさん
B・Iさん
営業は契約が取れたときやノルマを達成したときに達成感を感じられる仕事です。しかしすげなく断られたり門前払いされたりと辛い面も多く、「営業を辞めたい」と考えている人も多いようです。
この記事では営業職が辛い理由や、その対処法を徹底解説していきます。営業を辞めようと考えている人は必見です。
営業職がしんどくて退職を検討している人は多い
2021年5月に日本労働調査組合が行ったアンケートによると、「現在転職もしくは独立するための活動をしていますか?」という質問に対して「はい」の回答が58.9%ということがわかっています。実に10人中6人が、退職に向けての行動を起こしているという結果です。
出展:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000074057.html
また「あなたは退職を考えている、もしくは考えたことはありますか?」という質問には8割以上の人が「はい」と回答しています。
出展:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000074057.html
営業職は「相手に喜んでもらえる」「達成感がある」といったやりがいのある仕事である以上に、退職したくなるほどしんどく感じることが多いようです。
営業が辛いと感じる5つの理由
営業職は契約が取れたときの「達成感」がある反面、辛く感じることもたくさんあります。営業職を辛く感じる理由を挙げてみましょう。
- すぐに結果が出るとは限らないから
- ノルマに対するプレッシャーを感じるから
- テレアポや飛び込み営業は精神的に疲れるから
- 商品が売れるイメージが付かず自信が持てないから
- コミュニケーションが苦手だから
営業職は直接人を相手に仕事をするため、精神的に疲れてしまうことが多くあるようです。
理由①すぐに結果が出るとは限らないから
営業はすぐに結果が出る仕事ではありません。何度も足を運び、状況伺いの電話をし、時間をかけた小さな積み重ねが結果に結びつきます。逆にどんなに地道な努力を重ねても、ちょっとしたことで全てが白紙に戻ってしまうこともあるでしょう。
すぐに結果が出ないことにくじけていると辛くなってしまいます。また結果が出せなかったことに毎回深く落ち込んでいると、前向きに仕事に取り組めなくなっていきます。
理由②ノルマに対するプレッシャーを感じるから
基本的に営業職には「ノルマ」が決められています。簡単に達成できれば問題ありませんが、毎月達成できるかどうかギリギリの状態では、気を抜いている暇がありません。
しかもノルマと実績は月初めにゼロからスタートになります。今月どんなにたくさんの契約を取れたとしても、来月にその実績を繰り越すことはできません。やってもやっても終わりが見えず、ノルマに追い詰められていってしまいます。
理由③テレアポや飛び込み営業は精神的に疲れるから
テレアポや飛び込み営業は成功する可能性が低いです。「そんなものだ」とある程度割り切ることができれば、気持ちが楽になるかもしれません。それでも冷たく断られ続けると、精神的に疲れてしまいます。
またルート営業であれば、取引先や担当者の雰囲気がわかっているので話しやすいという面があります。一方でテレアポや飛び込み営業は、見ず知らずの法人や個人宅に突然営業をかけることになります。知らない人に冷たくされてしまうと、自分を否定されたような気持になるかもしれません。
理由④商品が売れるイメージが付かず自信が持てないから
どのような仕事でも最初から「できそうにない」と思っていては、成功させることはできません。営業でも同じように売ろうとしている商品が売れるイメージが持てないと、その自信のなさが相手に伝わってしまうため売ることは難しいはずです。
また会社から言われているセールストークに対して「人を騙している」「嘘をついている」と感じていると、悪いことをしているような気がして商品をすすめること自体が辛くなってしまいます。
理由⑤コミュニケーションが苦手だから
コミュニケーションが苦手な場合、営業を苦痛に感じる人も多いです。
営業は「コミュニケーションが仕事」と言っても過言ではないので、コミュニケーションが苦手だと辛いのは当然のことでしょう。
特にしんどいとされる営業スタイル5選
営業職にはいくつかスタイルがありますが、代表的な辛い営業職は以下の通りです。
- 個人向けの営業
- 飛び込み営業
- 代理店営業
- テレアポ営業
- ルート営業
業界や業種によって厳しさは異なりますが、参考程度に見ていきましょう。
①個人向けの営業
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個人向け営業とは「個人顧客に対して営業活動を行っていく仕事」でリテールセールスともいわれます。金融や生命保険、自動車など個人向け営業の業種は非常に幅広いです。
個人営業という言葉通り、顧客一人一人と深く接することになります。営業するためには顧客の都合のよい時間に合わせなくてはならず、残業や休日出勤が多くなりがちです。
また個人客は法人よりも気まぐれで、仕事に関係ない話を聞いたり機嫌を取ったりしなくてはならず非常にストレスが溜まります。
②飛び込み営業
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しんどい営業の代表とも言えるのが「飛び込み営業」でしょう。飛び込み営業は「個人でも法人でもアポなしで飛び込んで営業活動を行う仕事」です。
飛び込み営業はアポなしで訪問して商品を売るため、不審がられたり迷惑がられたりして断られることは当たり前。さらに営業でくたくたになって職場に戻っても、目標が達成できていないと上司に叱られることもよくあることでしょう。
また飛び込み営業は成果報酬型の給与体系の場合も多く、収入が安定しない点も辛くなってしまう大きな原因です。
③代理店営業
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代理店営業とは「自社の商品を売ってくれる販売代理店への営業活動を行う仕事」です。
代理店営業の仕事内容は大きく3つに分類されます。
- 代理店の新規開拓…自社の商品やサービスを顧客に販売してくれる代理店を増やす
- 代理店のサポート…既存の代理店に自社商品を理解してもらうためのレクチャーや販促のアドバイスをする
- 営業同行…自社商品が専門的な場合は代理店担当者と同行して、営業のサポートをする
代理店営業はノルマがない場合もあるため、その点では精神的な負担が少ないかもしれません。しかし新規開拓や代理店のフォローだけでなくその先の顧客とのやりとりなど、複数の業務を一人で抱えることになります。そのため激務になることが多く、辛い営業スタイルの一つと言われるようです。
④テレアポ営業
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テレアポ営業とは「新規客との商談のアポイントをとる仕事」のことです。
テレアポ営業の成功率は数%程度だといわれており、基本的に断られ続ける仕事です。電話に出てもすぐさま切られてしまうケースが多く、最後まで話を聞いてもらったり丁寧な対応をしてもらったりすることはごく稀といえます。さらに暴言を吐くなどされると、自分を否定されたような気分になる人もいるようです。
またテレアポ営業は「1日100件電話をかける」「1日10件アポを取る」などノルマが厳しい場合が多く、精神的に追い詰められてしまうこともあります。
⑤ルート営業
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ルート営業は「取引実績のある相手に対して営業活動を行う仕事」です。新規顧客の開拓や見知らぬ個人宅に飛び込みで商品を売るわけではないので、他の営業に比べると楽なようにも見えます。
しかしルート営業は顧客を選ぶことができません。納期の短縮など無茶な要求をしてくる顧客の担当になることもあります。新規開拓の営業であれば、無茶な要求をしてくる割に利益になりにくそうな顧客は優先順位を下げることもできますが、ルート営業はややこしい顧客ともうまく付き合いながら売上を維持していくしかないのです。
またルート営業にもノルマは存在します。しかし顧客側でもすでに予算が固定されている場合が多いため、大きく売り上げを伸ばすことは難しいです。
営業がしんどいときの対処法を状況別に紹介
営業がしんどい・辛いと感じるのは「ノルマ」「結果が出ない」など理由は様々です。ここからは営業のしんどさへの対処法を状況別に紹介していきます。
- 【売るのが苦手・結果が出せない場合】…売れない理由を徹底的に考える
- 【ノルマなどに精神的に疲れている場合】…定期的な振り返りで自分を客観視する
- 【それでもツライ時は】…退職する
【売るのが苦手・結果が出せない場合】売れない理由を徹底的に考える
売るのが苦手・結果が出せないといったときは、売れない理由を徹底的に考えてみましょう。商品やサービスが売れない理由は決して一つではありません。
もし同じ商品を上手に売る同僚がいるのなら、商品ではなくあなた自身に売れない問題がある可能性が高いといえます。「なぜ契約にいきつかなかったのか」を考えるときは、以下のことを分析してみましょう。
- 売れている営業と「顧客への連絡頻度」や「フォローの仕方」など自分との違いを分析する
- 営業のプロセスのどの段階で失注してしまったのかを見直し、自分の営業弱点を見つける
- 競合商品と自社商品の比較をし、競合対策をしておく
- 受注先の業界ごとに比較を行い、自社商品の得意な業界と不得意な業界を明確にしておく
ただ漠然と「契約取れなかった」で終わりにしておいては、いつまでも売れるチャンスはやってきません。失敗を分析して弱点を克服することが、売上を伸ばす一番の近道です。
【ノルマなどに精神的に疲れている場合】定期的な振り返りで自分を客観視する
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B・Iさん
ノルマなどに精神的に疲れている場合、定期的な振り返りで自分を客観視することが大切です。営業の成果が上がっている状況であれば多少顧客に怒られたりしても大きく落ち込んだりせず、すぐ前向きになれることもあるでしょう。
しかし営業がうまくいっていない状況だと、気持ちが「失敗した」ことに捉われて視野が狭くなりがちです。普段から日報などで自分の記録を付けておき、自分を客観的に振り返るようにしましょう。
振り返りでうまくいったときのことを思い出せれば、次の営業で成功するヒントになるかもしれません。また同じようなことで失敗していることがわかれば、対策を考えて弱点克服できるはずです。
【それでもツライ時は】退職する
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Y・Tさん
上の2つの対処法をやってみても、状況が改善されない場合は退職も対処法の一つです。
自社の商品がいいものに思えなくて売れない場合、自分がいいと思う商品を売れる環境に行けば、営業として成果を出せるようになるでしょう。
またノルマのプレッシャーが嫌なのであれば、代理店営業など違うスタイルの営業職に就けばいい結果をだせるようになるかもしれません。
顧客とのコミュニケーションがしんどい場合は営業職と違う職種にチャレンジしてみるといいでしょう。どの職場でも社内でのコミュニケーションは求められますが、営業ほど多くの人と接することはないはずです。
成果を上げる営業マンのスキル内容
成果を上げ続ける営業マンなら誰でも持っているスキルをご紹介します。
- 相手に好かれるコミュニケーション力
- NOを消せる論理的思考力
- トラブル解決力と柔軟性
- 目標を達成するという向上心
スキルを意識して磨いていけば、自分の営業スタイルに自信が湧いて売上が伸びていくかもしれません。
スキル①相手に好かれるコミュニケーション力
営業は「コミュニケーションで成り立っている仕事」と言っても過言ではありません。
初対面の人と決められた短い時間で、信頼関係を築く必要があります。優れた営業マンの中には「つい話過ぎてしまった」と顧客に言わせてしまうほど、好かれるのがうまい人もいます。
またコミュニケーション力というと「話す力」と思われがちですが、営業のコミュニケーション力には「聴く力」も非常に重要です。何気ない顧客との会話をよく聞きとり、課題を明確にすることも成果を上げる営業マンに不可欠な力といえます。
スキル②NOを消せる論理的思考力
論理的思考力とは直感や感覚的に物事を捉えるのではなく「筋道を立てて矛盾がないよう論理的に考え、結論を導き出すこと」です。
どんなに「この商品はいい物なんです」「ぜひ買ってほしい」という熱意があっても、説明に矛盾や破綻があっては商品のよさは伝わりません。
論理的な話し方は筋道が通っていて説得力が増すので、顧客に納得してもらいやすいです。もし顧客が商品に対する不安や疑問があったとしても、論理的に整然と説明すれば理解してもらうことができます。
またロジカルシンキングができる人の話は整理されていて聞きやすいので、顧客の信頼を勝ち取ることにも繋がります。
スキル③トラブル解決力と柔軟性
トラブル解決に何よりも大切なのは初動です。成果を上げる営業マンほど、トラブルへ迅速に対応します。
トラブルが起きた時点で上司や会社に報告していればことが大きくならずに済む事案も、どうしたらいいか迷ったり自分でなんとかしようとしたりして対応が遅れた結果、大炎上してしまうことも珍しくありません。
成果を上げる営業マンほどトラブル対応が早く、また会社や顧客に嘘をつかない誠実さを持っています。
また成果を上げる営業マンはトラブルを鎮火させることに優れているだけでなく、トラブルが起きた原因を分析することも欠かしません。トラブルの原因や対応策を考えることで再発を防ぎ、スムーズに営業活動が行えるように行動します。
スキル④目標を達成するという向上心
成果を上げる営業マンは常に前向きで、向上心が高いです。
通常の人なら「また今月もノルマが高くて嫌だな」と考えるところを「よし!今月も達成してやるぞ」と前向きにとらえることができます。
また成果を上げる営業マンは高い成長意欲も持っています。自社商品の内容だけではなく知識の幅を広げて、より高い質の営業をすることに余念がありません。
また仕事以外でも様々な経験をしたり、幅広い交友関係を持ったりすることで自分自身の人生を向上させる努力もしています。
営業がしんどい・辛い方必見!辞めたい時に取るべき対処法を徹底解説 まとめ
どのような仕事にも「しんどい」「辛い」部分はありますが、営業には「すぐに結果が出ない」「ノルマが厳しい」など特有のしんどさがあります。
なぜしんどく感じるのかを分析し、営業がやりがいのある仕事になる方法を考えてみてください。