エンジニアを辞めたい人が取れる選択肢とは？退職時の伝え方も併せて紹介

理由は様々ですが、エンジニアで「辞めたい！」と悩みを抱えている人は少なくありません。そのような人達には、退職しか選択肢は残されていないのでしょうか？

今回はエンジニアを辞めたい人が、取れる選択肢や退職を伝える方法などをご紹介します。辞めた後のトラブルや後悔を回避するために、ぜひ参考にしてください。

エンジニアを辞めたい人が取れる選択肢は全部で4つ！

エンジニアと一言で言っても様々な分野がありますが、いずれも日本の現代社会を支える「技術者」として活躍を期待される人材です。

また各分野で重宝されると同時に常に人材不足であることから、一人一人の負荷が大きく「辞めたい！」と感じる人も少なくありません。エンジニアを辞めたいと考えている人が、取れる選択肢は4つあります。

体や脳が疲れ切っている状態は、視野が狭くなり「もう辞めるしかない！」と考えがちです。しかし勢いだけで辞めてしまうと、後悔しても元に戻ることはできません。どのような選択肢があるかを知って、今後どうしていくべきか考えましょう。

選択肢①我慢して今の職場で働き続ける

辞めたいという考えと矛盾しているようですが、一つ目の選択肢は「我慢して今の職場で働き続ける」です。

辞めたいと思っているのは、一時の気持ちや環境の変化のせいではないでしょうか。辞めたい状況が改善される見込みがあるのなら、もう少し踏みとどまって働き続けるべきです。

同じ職場で働き続ければ、経験を積み重ねることでスペシャリストとして成長できます。また安定した収入を失わないことも魅力的です。

ただし働いているうちに再び「辞めたい」「他の世界を見てみたい」と考える日が来るかもしれません。そのときは新しい道に進むことを検討しましょう。

選択肢②休職して本当に辞めても平気かゆっくり考える

いきなり退職するのではなく、休職してみるのも一つの手段です。休職制度の有無は会社ごとにルールが決まっているので、就業規則を確認する必要があります。

一般的には以下のようになっていることが多いようです。

	大企業	中小企業
休職期間	1年以上～数年	数カ月～1年程度 （勤続年数が短い場合は適用除外となることもある）
休職理由	病気やけがに加え、留学など	病気やケガに限る
休職期間の賃金	休職理由によって賃金が支給される場合がある	基本的に無給

休職期間中は基本的に給料が出ないので、退職後のシミュレーションができます。シミュレーションを通して「どうやって転職するのか」「経済面で苦しくはならないか」など、退職後のことをゆっくり考えてみましょう。

選択肢③退職して新たな職場に行く

エンジニアを辞めたいというよりも「エンジニアの仕事は好きだけど、今の会社で続けるのは無理」と悩んでいる人もいるはずです。そのようなときは、退職してエンジニアとして働ける新しい職場を探しましょう。

転職は、今よりいい労働条件や待遇で働けるようになる大きなチャンスです。また同じ業界のエンジニアでも、職場によって、任せられる仕事の範囲や求められるレベルが異なります。

転職は今までよりハイレベルな経験を積める大きなチャンスです。ただし新たな職場に行くと、一からスタートすることになります。

慣れない環境や人間関係に、ストレスを感じるかもしれません。また求人条件をよく研究しておかないと、今よりも待遇が悪くなる可能性もあるので注意しましょう。

選択肢④職種を変えて異業種転職する

エンジニアという職を辞めて、全く違う業種に転職するという選択肢もあります。どんな仕事もやってみないとわかりません。

例えば望んでシステムエンジニアの人でも日々業務をしているうちに、システム設計よりも顧客とコミュニケーションを取ったりトラブルを解決したりするほうが自分に向いていることに気づくこともあります。

このような人の場合、営業職に転職したほうが自分の理想としているキャリアを積めるだけでなく、エンジニアでいるよりも昇給・昇格が望めるでしょう。

しかし異業種への転職は、業界・職種を全く未経験からという扱いになります。希望のキャリアをスタートできる代わりに、給料が最低ラインまで落ちるかもしれないことを考慮しておいてください。

エンジニアが辞めたいと感じる瞬間は？退職理由をご紹介

エンジニアが辞めたいと感じるのは、どのようなときなのでしょうか。よくある５つの理由をご紹介します。

エンジニアは自分の技術や知識を磨くのはもちろん、他部署と連携をとったり現場に行ったりと様々な能力が必要とされます。そのため体力的にキツイだけでなく、精神面でも疲れて退職したいと感じる瞬間があるようです。

理由①IT土方で体力・精神的に限界が来た

どんな仕事でも体力・精神的に限界がくると、辞めたいと感じてしまうでしょう。エンジニアは、いつもパソコンと向き合う仕事ばかりではありません。

例えばシステムエンジニアは簡単に言うとプログラムの設計書を作る仕事です。しかし設計にともなう顧客へのヒアリング、予算の算出、人員手配、進捗管理、クレーム対応など全て仕事内容に含まれます。

また休日返上でクレーム対応のために客先に出向くこともあり、ゆっくり体を休める時間が多くありません。休息が少ないとストレスと疲労が蓄積されていき、いつか心身に限界がきてしまいます。

理由②納期が近くなった時の残業や休日出勤がキツイ

納期が厳しく残業や休日出勤といった長時間労働が横行していることから、エンジニアを辞めたいと考える人も多いようです。

2023年1月にdodaが公表している『平均残業時間ランキング』によると、残業の多い職種トップ10にたくさんのエンジニア職がランクインしていることがわかりました。

順位	職種	職種分類	残業時間 （1ヶ月あたり）
1	プロデューサー/ディレクター/プランナー （出版/広告/Web/映像関連）	クリエイティブ	37.1時間
1	ビジネスコンサルタント	コンサルタント/不動産専門職	37.1時間
3	施工管理	建築/土木系エンジニア	35.3時間
4	商品企画/サービス企画	企画/管理	34.0時間
5	運輸/物流サービス	販売/サービス	31.1時間
6	製品企画	モノづくり系エンジニア	29.0時間
7	設計監理/コンストラクションマネジメント	建築/土木系エンジニア	28.9時間
8	機械設計/金型設計/光学設計	モノづくり系エンジニア	28.5時間
9	組み込みエンジニア	モノづくり系エンジニア	28.4時間
10	医療機器メーカーの営業	営業	28.1時間
10	ゲームクリエイター（Web/モバイル/ソーシャル）	クリエイティブ	28.1時間

エンジニアにどんなにやりがいを感じていても、残業や休日出勤続きだと心身の疲労に疲労が溜まり「辞めて休みたい」「他の仕事がしたい」と思うようになるようです。

理由③最新の技術に追いつく勉強が苦痛

「プライベートの時間を削って勉強するのが嫌」「年を取るにつれてだんだん覚えが悪くなってきた」など勉強が苦痛になって、エンジニアの仕事を辞めたくなることもあります。

エンジニアにはシステムエンジニアや組み込みエンジニア、IoTエンジニアなど、種類は様々です。そしていずれの場合も、日々技術が進歩しています。

エンジニアは業務をこなしながら日々新しい技術や方法を取り入れるためにアンテナを張り巡らせ、身に付けていかなければなりません。

なぜなら面倒だからと勉強を怠るとエンジニアとしての腕が劣っていくだけでなく、昇給や出世の遅れに直結するからです。

また周囲よりあからさまに腕が劣っていることによって、他のエンジニア達と会話が合わず職場で肩身の狭い思いをすることもあるかもしれません。

理由④職場における人間関係でトラブルがあった

「上司が怖い」「陰口を言う人がいる」など人間関係の悩みがあると、職場に行くのが憂鬱になるかもしれません。実際エンジニアに限らず、他の業種でも「人間関係のトラブル」で退職したという例は多いです。

プライベートな人間関係であれば苦手な人と無理に付き合わなくても問題ないでしょう。しかし仕事では、どんなに苦手な人とでも協力して業務を進めていく必要があります。

良好な人間関係が築けていない人と毎日顔を合わせていると、ストレスが蓄積されていきますよね。特にエンジニアは専門職であることから部署異動の機会はほぼないため、職場内の人間関係に仕事への意欲を左右されるはずです。

理由⑤作業量に対して報酬が見合っていない

エンジニアは年収が高い傾向にあります。例えば2022年12月に公表されたDodaの調査によると、日本人の平均年収は403万円ですが、ITエンジニアの平均年収は442万円と39万円高いことがわかっています。

IT技術が進歩する中、エンジニアはどこの会社でも重宝されるためといえるでしょう。しかし同時に、十分な人員が確保できていない会社も多いです。

つまり勤めている会社によっては、他の会社のエンジニアの2人分3人分の作業量をこなしていく必要があります。

どんなに給料がよくてもプライベートな時間を犠牲にしては働かなくてはならず、辛くなってエンジニアを辞めたくなってしまうようです。

当てはまってる？ITエンジニアに向いていない人の特徴

一時の感情で退職すると、後悔することがあります。しかしその業界に適性がないのなら、早めにジョブチェンジするべきです。以下にITエンジニアに向いていない人の特徴をまとめたので、チェックしてみましょう。

当てはまる項目が多いなら、他の分野への転職をぜひ検討してください。

エンジニアを辞める際の流れ

退職代行を利用すれば、エンジニアを辞めるのはとても簡単です。ここでは退職代行で退職する方法をご紹介します。

エンジニアを辞める際に利用できる退職理由

そもそも会社を辞める際の退職理由は「一身上の都合」で問題ありません。しかしもう少し具体的な内容を伝えないと、納得してくれない会社も多いでしょう。

かといって正直に「給料が低い」「残業・休日出勤が嫌」など会社に対する不満を伝えると、上司に不快に思われるかもしれません。

また「改善を検討するから待ってほしい」など会社に引き止めのチャンスを与えてしまいます。エンジニアが辞める際の退職理由は「前向きな内容」を伝えるのがベストです。

後からバレて困るような嘘はNGです。しかし転職や勉強といった退職理由は嘘だとしても、「今やっていることが、自分に合うと思って選択しました」と言い訳ができます。

エンジニアを辞めることを会社に伝える方法

エンジニアが辞めることを会社に伝えるときは、「伝える手段」と「伝えるタイミング」に気をつける必要があります。

退職を伝えるときは円満退職が望ましいですが、心身共に疲れ切っているのならまずは「辞めること」が最優先です。できるだけ最短のルートで退職できる方法をご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

伝える手段：基本は対面だが法律上は電話/メール/LINEでもOK

退職を伝えるときは「直接の上司に直接対面で」が基本的なマナーです。しかし退職したい原因がパワハラ上司だったり体調不良で会社に行くのが辛かったりする場合は、電話やメール、LINEで伝えても全く問題ありません。

というのも法律では退職に関する様々なことが定められていますが、「退職は直接自分で伝えなくてはいけない」という決まりはないからです。

対面以外の手段を使えば会社に行く労力が省けます。また怖い上司と距離がとれるので、直接伝える精神的苦痛が軽減されます。

ただし電話やメールLINEを使って退職を伝えるときも、直接の上司に伝えなければいけません。電話に出た人に伝言を頼んだり、職場の共有メールやLINEに送信したりするのはNGです。

自分で言いにくい場合は退職代行を頼るのもアリ！

電話やメール、LINEを使っても、自力で退職を伝えることに変わりありません。「退職したいけど、自分で伝えるのが難しい」というときは、退職代行を利用するのも有効な手段です。

先にも述べましたが、退職を伝えるのに「直接自分で伝えなくてはいけない」という法律はありません。つまり退職代行も違法にはならないのです。また退職代行を利用するとほかにも多くのメリットがあります。

自分で退職を伝えられないときには、ぜひ退職代行に頼ってください。

伝えるタイミング：退職希望日の2週間前

民法627条には「退職の申し入れから2週間経過することによって終了する」と明示されています。つまり法律上退職を伝えるタイミングは、退職希望日の2週間前です。

極論を言うと「退職します」と宣言すれば、どんなに上司が認めなくても2週間経過すれば退職していいことになります。

ただしあまりに強引に辞めて会社に大きな損害を与えてしまうと、会社から損害賠償請求される可能性があります。

「会社が辞めさせてくれないかもしれない」「辞めた後にトラブルが起きるのが怖い」といった悩みを抱えているなら、退職代行に相談してみてください。

エンジニアを辞めたい人へ！まとめ

エンジニアを辞めたくても、一時の感情で退職すると後悔する可能性もあります。しかし「心も体も限界」「エンジニアに向いていない」といったときは、一日も早く退職を考えるべきです。

もし退職を自分で言えないときには、退職代行を頼ってください。退職代行を利用すれば、会社に行くことなくスムーズに退職できます。