適応障害で即日退職は可能？退職の方法と伝え方を徹底解説

職場のストレスで適応障害になり苦しんでいる人は少なくありません。

一方で適応障害はストレスの原因から離れると、症状が改善されることが多いです。「休日は楽しくて元気」という場合もあるため、本人が軽く考えていたり周囲に理解されにくかったりすることもある疾患です。

しかし適応障害を放っておくと重症化し、うつ病や他の精神疾患などになる可能性があります。

職場のストレスで適応障害になったなら、退職するのが1番です。

この記事では、適応障害の即日退職の方法と退職の伝え方を徹底解説します。

結論：適応障害で即日退職は可能！

適応障害で即日退職は可能です。

退職は会社と従業員の双方の合意があれば成立します。

適応障害になると心身に様々な症状が出てしまい、とても辛い状況のはずです。しかし一日も早く会社の退職の合意を得ることが、適応障害を治す一歩になります。

退職理由がやむを得ない理由なら即日退職できる

民法第628条には次のように明示されています。

（やむを得ない事由による雇用の解除）
第六百二十八条　当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

簡単に言うと「やむを得ない事由がある場合は直ちに退職可能」ということです。
やむを得ない事由とは、具体的に以下のようなことをいいます。

適応障害はやむを得ない事由に該当しますので、会社から退職を認められやすいです。

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即日退職が認められる「やむを得ない理由」の例

やむを得ない理由があれば即日退職ができることがわかったところで、即日退職が認められやすい「やむを得ない退職理由」をより具体的に掘り下げていきましょう。

適応障害やうつ病のような精神疾患は大変デリケートな問題なので、「会社に伝えたくない」という人もいるはずです。そのような場合には、本音ではない理由を使ってうまく切り抜けましょう。

うつ病や適応障害など体調不良による退職

一番いいのは「うつ病や適応障害の影響で体調不良になり、仕事を継続が難しいので辞めたい」と正直に伝えることです。また体調不良の場合は診断書の提出を求められることも多いので、あらかじめ用意しておきましょう。

体調がいつ戻るかは、明確にわかりません。反対に退職後に職場の人と会ったとしても、「おかげさまでずいぶん良くなりました。ありがとうございます」と伝えれば問題ないでしょう。

両親や身内の介護による退職

両親や身内の介護もやむを得ない退職理由です。

特に近年は「介護退職」が社会問題になるほど、身近な退職理由になっています。介護は体力が必要なだけでなくゴールのないものなので精神的負担や責任も大変重いため、仕事との両立が難しく退職を選択する人が多いようです。

家族の転勤に伴う引越しによる退職

「家族の転勤についていくので仕事を辞めなくてはいけない」と会社も言われてしまったら、退職を認めざるを得ません。

ただし本当は引っ越さないのに、転勤を退職理由にするのは注意が必要です。退職後に職場の人にばったり会って、嘘がバレてしまう可能性があります。嘘はバレても罪にはなりませんが、気まずくなるのは間違いありません。

実家の家業を継ぐことによる退職

実家の家業を継ぐことも引き止められにくい退職理由です。ただし入社時に「両親の年齢や職業」を会社に提出している場合、この理由は使えません。

最近は会社が大々的にこのような書類を提出させることはなくなってきていますが、40代・50代の方が入社された頃は「新入社員の身辺を明らかにするような書類」を提出させている会社もありました。

上司が把握している可能性は十分にあります。父親の職業を「会社員」と書いておいて、「家業を継ぐので…」と退職しようとしても通用しませんよね。また雑談で家族の話しをしてしまっている場合も要注意です。たとえ飲み会の席であっても、人はたわいのない内容ほど覚えています。

結婚による退職

結婚による退職は寿退職とも言われるほど、おめでたい退職とされています。即日退職するには少し無理があるかもしれませんが、やむを得ない理由になります。

ただし結婚を建前の退職理由として使うなら、会社や組合の「お祝い金制度」に注意してください。入籍証明の提出を求められて、嘘がばれてしまうかもしれません。

基本的には2週間前に退職を申し出る必要がある

退職についてはそれぞれの会社の就業規則で決められており、「退職の1ヵ月前に申し出る」などルールは異なります。

一方民法では「退職を申し出て2週間後に退職できる」と民法で定められていて、民法のほうが就業規則より優先されます。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。（民法第627条抜粋）

どの会社でも基本的に「退職は2週間前に申し出る必要がある」ということになります。

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適応障害で即日退職する方法4選

適応障害で即日退職する方法は4つあります。

方法①心療内科の診断書を提出し、会社の合意を得る

会社の合意を得られれば、適応障害で即日退職が可能です。

心療内科に発行してもらった診断書を会社に提出すると、会社からの合意を得るための後押しになります。診断書は「診察した医師が患者の病名や症状を記載した書類」のことです。公的な証明になるので、会社も適応障害を認めてくれるでしょう。

また適応障害の従業員を無理に引き止めて働かせ続けると、会社は「安全配慮義務違反」になります。安全配慮義務違反自体には、特別な罰則はないです。しかし従業員から損害賠償請求を受け、社会的信用を失う可能性があります。

そのようなリスクを背負ってまで、一人の従業員を引き止める会社はほとんどありません。

方法②有給を消化して退職する

2週間以上の有給があれば、退職を申し出てから出勤せずに退職することが可能です。つまり「実質即日退職」です。

有給はで認められた「労働者の権利」なので、従業員が有給取得を希望したとき会社は拒否することができません。また「うちの会社に有給なんてない！」という会社の身勝手な言い分も聞き入れる必要はありません。

労働基準法の定めによると正社員の場合勤めてから半年後に「10日の年次有給休暇」が付与され、1年ごとに有給日数が増えていきます。

勤続年数	有給付与日数
6ヶ月	10日
1年6ヶ月	11日
2年6ヶ月	12日
3年6ヶ月	14日
4年6ヶ月	16日
5年6ヶ月	18日
6年6ヶ月	20日

退職の相談をする前に給与明細などで自分の有給残日数を確認し、会社にごまかされないようにしておきましょう。

方法③退職日まで欠勤扱いにしてもらう

有給が全くない場合でも、会社と相談して退職日までの間を欠勤扱いにしてもらうことが可能です。

ただしこの場合、会社は「働く気のない社員を雇っていても仕方がない」と判断して本当の「即日退職」になることもあります。そうなると保険や年金のなどの切り替え手続きを予定より早くする必要があるので、注意が必要です。

有給消化や欠勤扱いの2週間は会社に守られています。しかし退職すると、その日から会社との縁が切れてしまうことを知っておきましょう。

方法④退職代行を利用する

適応障害は会社にいるだけで不安や緊張感、動悸、めまいがするなど、退職の相談をしたくてもできない状態に陥ることも多いです。

適応障害で「自分で退職の相談をするのが辛い」というときは退職代行を利用しましょう。退職代行はあなたの希望を聞き、その通りの退職ができるように手続きをしてくれます。

例えばこのような希望を叶えることが可能です。

退職代行を利用すれば会社に相談しなくても、「即日退職」や「実質即日退職」が実現します。

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適応障害がどんなに辛くてもバックレはやめましょう

適応障害は辛い精神疾患です。会社に行きたくない気持ちはわかりますが、バックレは絶対にやめましょう。
というのも、バックレには以下のようなリスクがあるからです。

懲戒解雇は少し大げさかもしれませんが、実際懲戒解雇されると転職が不利になります。

なによりも会社から電話や書面が山のようにきたり上司が自宅に来たりすると、適応障害を悪化させる可能性が高いです。

自分で退職の相談をする勇気がないのなら、はじめから退職代行を利用して会社とスッキリ縁を切りましょう。

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適応障害で即日退職するときの伝え方【例文あり】

適応障害で即日退職するときの伝え方は4つあります。

退職の伝え方の基本は「上司に直接」ですが、法律で決まっているわけではありません。会社に行くのが辛いときは、あなたのできる方法で退職の意思を伝えれば大丈夫です。

上司に直接伝える

上司に直接会って伝えるときは、「退職の相談」ではなく「退職の報告」をするつもりで伝えましょう。

相談をすると「後任が来るまで待ってほしい」「〇月末まではいてほしい」など、引き止めに遭う可能性があります。

もし強く話すのが難しいならば、心療内科の診断書を用意しておきましょう。診断書があなたの病名や症状を証明してくれます。また病気の内容が全て書かれているので「どんな症状なの？」「治りそうにないの？」といった、デリカシーのない上司からの質問をかわすことも可能です。

内容証明郵便で伝える

会社に行くのが辛いときは、内容証明郵便を送ることも有効です。内容証明は「いつ」「誰が」「誰宛てに」「どんな内容を送ったか」を公的に証明してくれます。

内容証明は通常の手紙と違い、縦横関係なく1行20字以内1枚26行以内という文字数制限があります。

また内容証明は、資料など他の書面を同封することができません。診断書を送る場合は、別途で郵送する必要があります。

メールや電話で伝える

電話で退職を伝えるときは、「退職の意思」をはっきりと伝えます。また対面で伝えるときと同じように、基本は直接の上司に伝える必要があります。

しかし直接の上司が適応障害のきっかけで、話すのが怖い場合もあるでしょう。そのときは人事に直接連絡をするのもアリです。

伝える例文をご紹介します。

この後に「退職日」など具体的な相談をすることになります。手元にメモを置いておき、必要なことを記録できるようにしてください。

メールはなるべく簡潔に「退職の意思」と「職場への感謝」を伝えるようにしましょう。送信先は直接の上司です。

例文は以下の通りです。

退職の意思はLINEで伝えても法律上は問題ありません。しかしLINEで送るのは、社会人として「失礼」「非常識」と思われがちです。お世話になった会社に感謝や誠意を伝える意味でも、あまりおすすめできるツールではないです。

退職代行を利用して伝える

退職代行は「依頼人に代わって退職を伝えてくれるサービス」です。退職代行に依頼すれば、出社しなくていいことはもちろん、会社と連絡を取る必要もありません。

退職を伝える精神的負担から解放され、スムーズに退職することができます。

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適応障害の退職で後悔しないために試しておくべきこと

適応障害で辛い状況でも、いきなり退職すると後悔するかもしれません。退職まで踏み切れない場合に、試していただきたいことがあります。

退職ではなくて休職して様子を見るのもアリ

休職制度を利用して、適応障害の治療に専念してみましょう。休職制度は会社にごとに規定があり、休める期間も様々です。

会社の休職制度で休職できれば治療に専念できるので、症状が改善されるでしょう。

しかし会社自体がストレスの原因の場合、休職しても根本的な解決になりません。不安はあると思いますが、退職することをおすすめします。

部署の異動願いを出して環境を変える

部署異動すれば環境が変わり、職場のストレスが軽減されるかもしれません。同じ会社で働き続けられるため、経済面の心配をしなくて済みます。

ただしどんな会社も部署ごとに最適な人数が決まっているため、簡単に異動できるとは限りません。また部署が変わっても、以前の部署と完全に縁を切れるわけではないです。

部署異動を希望するときは「異動できる可能性は高いか」「異動すれば辛い原因が軽減されるか」「異動先で居心地が悪くならないか」の3つを考えてから行動に移してみてください。

抱えている仕事の量を減らしてみる

業務量がストレスの原因ならば、上司に相談して業務量を調整してもらうようにしましょう。

自分1人で抱え込んでいる仕事があるなら、上司や先輩に相談して一緒に考えてもらうだけでもストレス軽減の助けになります。

ただし職場自体が慢性的な人手不足の場合は、全員が忙しく業務量の調整はかなり困難です。このような職場は退職の相談をしても、強く引き止められる可能性が高いので注意してください。

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適応障害で退職した後の適切な過ごし方

適応障害は原因となるストレスが解消されれば、約6ヶ月で回復するといわれています。適応障害で退職した後は心身が疲弊しているので、とにかく休養することに専念しましょう。

生活リズムや時間を気にせずに好きなことを好きなときにして、心身の調子を整えていくことが大切です。

真面目な人ほど「早く社会復帰しなければ」と不安を感じてしまいがちですが、焦ってはいけません。まずはゆっくり過ごして、症状の改善を目指しましょう。不眠症状のあるときは薬で対処する方法もあるので、心療内科など専門医に相談してみてください。

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適応障害で退職した人が利用できる経済的な支援一覧

支援策名	内容
生活保護制度	最低生活の保障と自立の助長を図ることを目的として、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行う制度。 「適応障害かどうか」ではなく、「最低限の生活ができるか」が判断基準です。
失業給付	退職後、失業中の生活を心配しないで、1日も早く再就職するために支給される給付金。 在職中に雇用保険の被保険者であることが条件。
特別障害者手当	精神又は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の人に支給されます。 「適応障害だから」ではなく、障害の重度が判断基準です。
労災保険	従業員が仕事中や通勤途中にケガ・病気・障害、あるいは死亡した場合に保険給付を行う制度。退職後にも退職後にも支給申請することができます。 2020年の法改正によりパワハラによる精神疾患も労災対象になるなど、適応障害も労災として認められやすくなりました。
自立支援医療制度	心身の障害を完治・軽減するための医療について継続的な通院が必要な場合、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。

適応障害で退職代行を利用した人の体験談3選

最後に適応障害で実際に退職した人の体験談をご紹介します。

パワハラで適応障害になり退職

仕事を続けても適応障害を悪化させるだけ

適応障害で退職したいと言えなかった20代女性

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適応障害で即日退職したいお客様からよくある質問

これから退職しようとしている方の中には、「同じ適応障害の人はどう悩んでいるのだろうか？」と気になっている方も多いのではないでしょうか？

派遣でも適応障害を理由に即日退職できますか？

会社から同意を得られれば、派遣でも適応障害を理由に即日退職できます。逆に会社から同意を得られなかった場合、退職届の提出から2週間後には退職可能です。

有給休暇を活用すれば実質即日退職にすることも可能なので、何日有給休暇が使えるか計算してみると良いでしょう。

適応障害で退職するのは逃げなのでしょうか？

適応障害で退職するのは逃げではありません。自己否定する必要はなく、たまたま環境が自分に合わなかっただけのことです。

むしろ、退職することで将来の明るいイメージが湧いてくることもあるので、退職するかどうかで葛藤している方は、是非ポジティブに捉えてみてください。

適応障害を理由に休職することは可能？

適応障害を理由に休職できる可能性は十分にあります。多くの会社では、業務外のケガや病気の療養のために長期の休みを申し出ることが可能です。

会社によって休職できる条件は異なるので、適応障害で休職したい方は就業規則を確認してみましょう。

適応障害は我慢すれば治るの？

適応障害は我慢すれば治るものではありません。そもそも適応障害とは、我慢の限界を超えた先にある症状なので、さらに我慢を続ければ症状が悪化する可能性があります。

場合によっては、他の疾患を発症してしまう可能性もあるので、今よりもストレスを減らす方向に考えていくのがおすすめです。

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適応障害は即日退職可能！退職の方法と伝え方を徹底解説　まとめ

適応障害は即日退職可能です。即日退職には「会社の合意を取る」「有給や欠勤扱いの交渉をする」といった方法がありますが、適応障害になってしまうと上司に相談することすら苦痛かもしれません。

適応障害が辛くて即日退職したいときには、退職代行を利用しましょう。退職代行を利用すれば、会社に行かず、上司に会うこともなく、スムーズに退職することができます。